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42そうだね ページ42

「あ…げるたん、そのあおいの話なんだけど」

倉庫を出て扉を閉めたら、げるたんが私の体を叩いて、ホコリを落としてくれた。
「あおいがどうかした?」
丁寧にローブを綺麗にしてくれるげるたん。

「…クリスマスからずっと見てないの。音信不通っていうか…何か知らない?」
げるたんはふと顔を上げた。
「いや、俺元々あおいと会えること少なかったし…分かんないけど」
「…そっか」
「ただ忙しいだけとか?代表生だし」
くるりと向きを変えて、来た道を戻るげるたん。

「でも、クリスマスから二週間以上経つよ。顔ぐらい見せてくれたって…」
「…」
「それに、白服さんもぷんちゃんも、何かずっと隠してるみたいなの。最近はもはやその話を避けてる感じ」
「Aちゃんは、何かあったんだ、って思うわけ?」

「うん」
私は頷いた。
少し階段を上っていたげるたんは、立ち止まって振り向いた。
「先生でもそれとなく聴いてみたけど、一向に口を割ってくれなくて」
「極秘事項ってことね…」
「そこでげるたんに、一生のお願いがあるの。
あおいに何があったか突き止めるのを、手伝って欲しい」

今日話しかけようと思った、理由の一つでもある。
「いいよ」
げるたんはあっさり承諾した。

「一生のお願い使うには早すぎるけどね。一日のお願いならいいよ」
「毎日レベル!?バレたら査問だよ」
げるたんははにかんだ。
「いーじゃん、面白いよ。何か策はあんの?」
「…書類か何かがある場所に侵入できれば…野崎先生の机とか漁れないかな」
「絶対に漏らしたくない情報なら、そんな所に放置してないでしょ。特別室用の鍵くらいなら持ってそうだ」
「そっか!野崎先生が身につけてるのかな?」
「その可能性は高いかも。どうやってくすねる?」
「私が誘き出すからその隙に…コピー魔法でも使ったら、同じ型のができるんじゃない?」
「それいい!生徒に質問されるとそっちに集中しちゃうしね。じゃあその作戦でいこう」

「今日?」
「もちろん。今から」
げるたんは階段を駆け上り始めた。
「あおいは大切な友達なんだ」

「…何事も無かったらごめんね」
「それが最善じゃん」
あおいは優秀な魔法使いだ。
関係者が口を割れない話だなんて、大抵その人の生死、不正や汚職、何か特別なことが発覚した時。
そんなこと、あおいに限ってあるわけがない。

「早く、行こう。一刻を争うことだったらどうする」
「あ…そうだね」
げるたんの後を追う。
真っ黒なローブに小さな後ろ姿は、あおいに少し似ている。

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ひな(プロフ) - 名無しさん» ありがとうございます!コメント励みになります(;;)がんばります!! (2018年3月3日 18時) (レス) id: 81ab03c3d0 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - ひなさんの小説の世界観が大好きでいつも楽しませてもらってます!!更新大変だとは思いますが、がんばってください! (2018年3月3日 14時) (レス) id: a81d6c10a8 (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - 有栖夢子さん» ありがとうございます!頑張りますね(;;) (2018年2月28日 16時) (レス) id: 81ab03c3d0 (このIDを非表示/違反報告)
有栖夢子(プロフ) - いつも楽しんで読ませてもらってます!楽しみにしているので、これからも頑張ってください! (2018年2月27日 22時) (レス) id: 75b30202ba (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ひな | 作成日時:2018年2月15日 21時

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