15おのずと ページ15
「…でも」
私は俯いた。
ウラン一族のことは、よく知っている。
災いをもたらすウランの血。そう昔から親達に教えこまれ、確かに学校のウランの生徒は、そういう教育を受けてなのか、柄が悪いいじめっ子ばかりだ。
手段を選ばない。
自分に関係の無い被害はどうでもいい。
そうやって禁術を平気で使うし、
人を何人も殺してきた。
シグにも、被害に遭った魔法使いが何人もいる。
そんな凶悪な奴らに、
私が、勝てるのだろうか。
…世界をくまなく探して、私以外の、竜の血を探してください。
とでも言いたい。
「…竜の血を持っていたとしても……裕大さんより頭がキレるわけじゃないし、智哉さんより柔軟な思考ができるわけでもないし、あおいより凄い体幹を持ってるわけでもないんです……私で、いいんですか？本当に私しか、いないんですか」
代表生なら、出来ないこともないんじゃないか。
「私はお願いしてるんじゃないわ」
校長先生は立ち上がった。
その銀の瞳で、真っ直ぐ私の目を見ている。
「指令を出しているの。これは命令」
「…………え……」
「……伝言を預かっている。
��竜の血であるのなら、シグで誰も辿り着くことのできなかった、
究極の治癒魔法を、身につけなさい��」
その言葉は、
頭の中に響いて、グルグル回った。
だいたい、私が任された本当の理由を、察することができた。
…察すればもう、断ることなんてできない。
「…」
私は口をとじて、校長先生を見た。
「物わかりのいい生徒。この大役を任されたことを誇りに思いなさい」
「…でも先生。僕達が呼ばれた訳は」
「それはおのずと分かってくるでしょう」
校長先生は、智哉さんの顔を見てから、座った。
「下級生代表生の三人には、Aの教育係を命じます」
「えーっ！！」
次はすぐに声が出た。
うるさ、ってあおいが私を睨む。
「だって…」
「…聞けば、教師に教えてもらうよりも、代表生に教えて貰った時の方が感覚が掴めたと言うじゃない。きっと年齢の近い相手に教わった方が、始めは上手くいくと思うの」
「…でも…スパルタになりませんか…？」
「代表生じゃなくても代表生でもスパルタにはなる」
「えっ…」
思わず肩を落とす。
「まあー知らない人派遣されてその人に教わるよりかは、よくない？気が楽じゃない？」
あははと笑ってるあおいは呑気だ。
「…そうだね」
だからと言って、三人がかりで。
限られた魔法使いにしかてきない、その封印の魔法とか治癒の魔法とか…
本当に出来るんだろうかと、ただただ、不安が募る。
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ひな(プロフ) - 名無しさん» ありがとうございます！コメント励みになります(；；)がんばります！！ (2018年3月3日 18時) (
レス) id: 81ab03c3d0 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - ひなさんの小説の世界観が大好きでいつも楽しませてもらってます！！更新大変だとは思いますが、がんばってください！ (2018年3月3日 14時) (レス) id: a81d6c10a8 (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - 有栖夢子さん» ありがとうございます！頑張りますね(；；) (2018年2月28日 16時) (レス) id: 81ab03c3d0 (このIDを非表示/違反報告)
有栖夢子(プロフ) - いつも楽しんで読ませてもらってます！楽しみにしているので、これからも頑張ってください！ (2018年2月27日 22時) (レス) id: 75b30202ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひな | 作成日時：2018年2月15日 21時
