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「Aちゃん」
＊
俺はAちゃんをまっすぐ見つめた。
・
「結婚しよう」
・
「……………」
Aちゃんは目を大きく大きく見開いて、
口を開けたけど、声になっていない。
「………………ぇ…………」
そしてようやく声を発したと思うと、
それは小さくて、Aちゃんの表情は、驚愕、そのもの。
神崎くんも、驚いていた。
そりゃそうか。
「け、っこん、って、あの」
「うん。次のAちゃんの誕生日がくれば、法的にも結婚できる」
俺がAちゃんの手に触れると、
カタカタ、震えていた。
俺は神崎くんを見た。
Aちゃんはもう、俺しか見てない。
これでもう、自分に望みがないことぐらい、わかったんじゃないか。
神崎くんははっとして、冷静な表情に戻り、
「Aちゃんから俺を遠ざけようだなんて理由で、プロポーズする奴なんて、どうかと思うけど」
自分がストーカーであること、わかってんじゃん。
「Aちゃんは、これから俺がずっと守っていくよ。ずっと一緒にいる。傷付けたりしない」
俺はAちゃんの手を優しく握って、
そう、はっきり、言った。
「お兄ちゃんとしてじゃない、Aちゃんの好きな人として」
ちょっとクサイかな。
でもまあいいか。
だから頼って。
ちょっとでも怖い思いをしたら、
やばいと思ったら、
辛かったら、苦しかったら、躊躇なく、
助けて。
そう言って。
神崎くんはわかっていたんだろう。
Aちゃんは人に助けを求めようとしない、
求められない状態であること。
だからその隙に漬け込んで、
Aちゃんを手に入れようと思った。
「助けを求めるのは、みっともないことじゃない。
俺からのお願いです。もし、今が辛いなら、怖いなら、
言って。助けて、って」
俺の言葉に、
Aちゃんは目の周りを真っ赤にして、目に涙を浮かべた。
そしておれに、ぎゅっと抱きついて、顔を埋めて、
・
「……………助けて…………っ……」
そう、声を押し殺すように発した。
涙声だった。
本当は、ずっと辛かったはずだ。
怖かったはずだ。
ごめんね。
俺は両腕でAちゃんを包み込む。
小さくて細いから、優しく。
そして、
・
「………」
神崎くんを強く睨んだ。
宣戦布告、の意を込めて。
＊
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ひな(プロフ) - タケヤンさん» コメントありがとうございます！文才はあまり無いですけど読んでいただけて嬉しいです(｀▽´)頑張ります！ (2017年4月6日 7時) (
レス) id: e3490e59f8 (このIDを非表示/違反報告)
タケヤン - こういうお互い思い合っているのに上手くいかないもどかしい話を探していたので嬉しいです！これからも応援してます！更新頑張ってください！ (2017年4月5日 22時) (レス) id: cbdaf977c1 (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - ＊赤毛さん＊さん» コメントありがとうございます！確認したら、「MeseMoa」でした！気付いていませんでした…ごめんなさい＆ご指摘ありがとうございます(；▽；) (2017年4月4日 19時) (レス) id: e3490e59f8 (このIDを非表示/違反報告)
＊赤毛さん＊(プロフ) - お話、凄く面白かったです！あおいくんがあおいくんっぽくなってて凄いなって思いました。語彙力無くてすみませんwただ、一つだけ。「MeseMore」ではなく、「MeseMoa」だと思いますよ。そちらが正解だったらごめんなさい。 (2017年4月4日 19時) (レス) id: 99d9797f6c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひな | 作成日時：2017年4月3日 21時
