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校門近くで、
俺と目が合ったAちゃんは、
「……なんで」
まずい、って顔をした。
「Aちゃん…！」
何がだめなの！
そんなに会いたくなかったの！
でも、そんなの俺知らない！
「はあっ、はあっ」
たくさん走ったせいで息が上がってる。
俺はAちゃんに近付いて、手を握った。
「！」
Aちゃんは少しびっくりして、
周りをキョロキョロと見渡した。
「……あおいくん、こっち！」
「えっ」
Aちゃんは俺と手を握ったまま、走り出した。
足速っ。
けっこう走って、Aちゃんが連れてきたのは、人目につかない路地裏だった。
「はあ、はあ…」
「……Aちゃん」
「はあ……あおいくん……怒ってるの…？」
……自覚症状。
つまり有罪？
「うん」
「私が好きなのはあおいくんだよ」
俺のうん、から、ほとんど間をおかず、Aちゃんは言った。
「何年も前からずっと、あおいくんしか見てないよ」
「……最近は、白服さんばっか見てたでしょ…」
「…それは」
Aちゃんは、口ごもる。
「……」
あのねAちゃん。
Aちゃんが好きなのは俺であることも、
Aちゃんは浮気なんかする人じゃないことも、
俺、わかってるつもりだよ。
だから会いに来たんだよ。
「Aちゃん」
「…」
「ちゃんと、俺の目見て」
顔を近付けると、
きれいな円いひとみが、こっちを向く。
「…」
数秒間見つめ合うと、
Aちゃんは、俺に抱きついた。
優しい匂いがする。
「あのねあおいくん、これは」
「うん」
「ストーカーが怖いわけでも、白服さんのせいでもなくて…………最近、あおいくんが足りてなかっただけだから」
「ん？」
それだけ言って、Aちゃんは俺から離れる。
「………今も、つけられてるの」
「…え…」
「神崎くん。毎日。だから簡単には、あおいくんに会いに行けないの」
「どうして……」
そうなるの。
「だって」
Aちゃんは何か言いたそうに、間を置く。
・
「私、あおいくんには、弱音なんて吐きたくないから」
・
Aちゃんは絞り出すように言った。
「……俺じゃ頼りない？」
「違うよ！……白服さんは、ただ神崎くんの目を欺くためであって」
「…そんな厄介な奴ならなおさら」
「あおいくんに迷惑かけたくないの」
言ってる言葉は俺のこと思ってて、
向いてる目線はちゃんと俺の瞳なのに、
Aちゃんの表情は、
悲しみに溢れていた。
＊
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ひな(プロフ) - タケヤンさん» コメントありがとうございます！文才はあまり無いですけど読んでいただけて嬉しいです(｀▽´)頑張ります！ (2017年4月6日 7時) (
レス) id: e3490e59f8 (このIDを非表示/違反報告)
タケヤン - こういうお互い思い合っているのに上手くいかないもどかしい話を探していたので嬉しいです！これからも応援してます！更新頑張ってください！ (2017年4月5日 22時) (レス) id: cbdaf977c1 (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - ＊赤毛さん＊さん» コメントありがとうございます！確認したら、「MeseMoa」でした！気付いていませんでした…ごめんなさい＆ご指摘ありがとうございます(；▽；) (2017年4月4日 19時) (レス) id: e3490e59f8 (このIDを非表示/違反報告)
＊赤毛さん＊(プロフ) - お話、凄く面白かったです！あおいくんがあおいくんっぽくなってて凄いなって思いました。語彙力無くてすみませんwただ、一つだけ。「MeseMore」ではなく、「MeseMoa」だと思いますよ。そちらが正解だったらごめんなさい。 (2017年4月4日 19時) (レス) id: 99d9797f6c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひな | 作成日時：2017年4月3日 21時
