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＊
チョコレートの入った、甘いたい焼き。
アツアツのを、あおいくんに買ってもらった。
「あおいくん、それ何、りんご味？」
「うん、新発売、いいでしょー」
白服さんはカスタードを買って、あおいくんのをまじまじ見てる。
「おいしそう、ひと口ちょうだいよー」
「駄目。一口目はAちゃんだから。ね、ほら、あーん」
あーん。
あっつ。でも、おいしい。
「おいひーよ、あおいくん」
熱くて、舌がうまく動かない。
あおいくんは私を見て、ふふ、と笑って、食べ始めた。
３人で食べながら、喋りながら、ちょっと歩いて、
途中で白服さんとは別れた。
日は暮れ始めていた。
「Aちゃん、新しい友達できそう？」
「多分、でも、あおいくんがいれば友達なんていらないよ」
「悪い男にはひっかかるなよー！」
「多分ね」
「た、多分！」
ふふ。
あおいくんをからかうの、楽しい。
「……ねえあおいくん」
「んー？」
・
私は高校生になれたことが、嬉しい。
あおいくんに、大人の女の人として、見てもらえるようになるかもしれないから。
1人っ子のあおいくんは、同じく1人っ子の私を妹のように、小さい頃からいつも構ってくれていた。
でも、私は、
物心ついた時から、あおいくんは��お兄ちゃん��なんかじゃなかった。
好きな人。
初恋の人。きっとこれからも、ずっと好き。
さらさらの髪の毛も、きれいな筋肉のついた腕も脚も、優しい瞳も、まっすぐな性格も、
全部、
「あおいくん、好きだよ」
ずっと昔から、誰よりも。
「うん、俺も」
でもあおいくんの��好き��は、
私の��好き��とは違う。
年の離れた私を、
あおいくんはいまだ、「妹」としてしか見てない。
「……」
そりゃ、そうだよね。
あおいくんの同級生と、私とでは、違うもんね。
「……あおいくん、今、彼女いるー？」
「いないよ、俺にはAちゃんがいるもんね」
そんなこと言うけどさ。
知ってるからね。
あおいくんモテてるし。
というか、もうアイドルだし。
リアルでも動画サイトでも、常にきゃーきゃー言われてるし。
あおいくんは日に日に、遠くなっていく。
「じゃあAちゃん、またね」
「うん…」
私の家の前で、あおいくんと別れる。
私に背を向けて歩き出す、夕暮れのあおいくんを、
ずっと引き留めておきたかったけど、
もちろん、
そんなことできるはずなかった。
＊
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ひな(プロフ) - タケヤンさん» コメントありがとうございます！文才はあまり無いですけど読んでいただけて嬉しいです(｀▽´)頑張ります！ (2017年4月6日 7時) (
レス) id: e3490e59f8 (このIDを非表示/違反報告)
タケヤン - こういうお互い思い合っているのに上手くいかないもどかしい話を探していたので嬉しいです！これからも応援してます！更新頑張ってください！ (2017年4月5日 22時) (レス) id: cbdaf977c1 (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - ＊赤毛さん＊さん» コメントありがとうございます！確認したら、「MeseMoa」でした！気付いていませんでした…ごめんなさい＆ご指摘ありがとうございます(；▽；) (2017年4月4日 19時) (レス) id: e3490e59f8 (このIDを非表示/違反報告)
＊赤毛さん＊(プロフ) - お話、凄く面白かったです！あおいくんがあおいくんっぽくなってて凄いなって思いました。語彙力無くてすみませんwただ、一つだけ。「MeseMore」ではなく、「MeseMoa」だと思いますよ。そちらが正解だったらごめんなさい。 (2017年4月4日 19時) (レス) id: 99d9797f6c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひな | 作成日時：2017年4月3日 21時
