開久にいる女2 【今日から俺は！！】 (ページ50)

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50話ページ50

丸田達が出て行った屋上では、佐々木のため息が響き渡った。

貴女「ふぅ～。
やっぱり先輩ってこわっ笑」

片桐「お前…」

貴女「あれ？君、まだ生きてたんだ」

片桐「テメェ、俺とタイマン張れ」

貴女「うーん、いいけど先に怪我治して？
傷だらけの人とやっても何も面白くないし笑

本当は保健室行きたいんだけど、場所わかんないからとりあえず止血だけ」

そう言うと、片桐の傷口にテキパキと手当てしていく。

そんな彼女に片桐は“変な奴”そう思った。

しかし、それ同時に自分にはない強さを感じた。

貴女「君は新入生だよね？
私は、佐々木A。君は？」

片桐「片桐智司」

貴女「よろしくね、片桐」

片桐「お前、中学何処だ？」

貴女「…中学なんて何処でも良くない？笑」

片桐「何でここに来た」

貴女「頭悪いから」

それが佐々木との出会いだった。

しかし、それは出会いに過ぎなかった。

ある日、片桐が廊下を歩いていると佐々木が喧嘩を売られていた。

佐々木が喧嘩を売られるなんて日常茶飯事。

いつも通りスルーしようとしたその時、
佐々木の頬に相手の拳が入った。

貴女「っ…」

いつもの彼女は、相手が攻撃する前に自分から攻撃を仕掛ける。
もし、やられてもギラついた目になりすぐにやり返していた。

しかし今日の彼女は、やられても一瞬ギラつくだけでその拳にはいつもの力強さは感じられない。

片桐「！！」

遠くから見ていた片桐も、普段とは違う佐々木が心配になり、喧嘩を止めに入った。

一瞬見えた佐々木の目には、どこか悲しそうな色をしていた。