ぼくのねむりひめ。

ふわふわかいわ。 feat.もとき ページ4

○♪.°








「もとき、あそこの犬可愛くない？」
「ホントだ！ポメラニアンかなぁ、可愛いね」







少し離れた所、目線の先にいる若い女性。
その足元でくるくると回るポメラニアンを見て、俺の隣にいるAはふわりと笑った。


とある日の真っ昼間。

特にこれといった予定のない俺たち2人は、天気のいいこともあってピクニックに来ていた。

近所の比較的小さな公園だが、休日だからか家族やカップルが多かった。
俺とAだってカップルだから別に居心地が悪い訳では無いけど、もうちょっとゆっくり楽しみたかった気もする。



シートを引いてその上に並んで腰を落とす。

Aが眠たそうにしている事に気付いた。
春だから暖かいし、Aの眠気も二倍増しのようだ。





「春だから眠たいよね。あ、そうだ。寝ちゃわないようにお話しようか」
「うん……何の話？」
「あ、こないだ出た新しいゲーム知ってる？」
「まさいがやってたヤツ？」








Aがコクリと頷いて話を続ける。


Aのこういうとこ、好きだな。
メンバーの皆には謎とか言われちゃうけど、その点Aは凄く気が合う。

話が弾むし、内容はとてもくだらない事なのにどうしてか楽しい。



メンバーと過ごす時間はかけがえの無いもので、凄く楽しい時間。

でも、Aと過ごす時間は、それとは違う心地よさみたいなものがある。






「(幸せだなぁ……)」








柔らかい春風が頬を撫でていく、そんな午後。

ふと、小さな幸せを感じた。









○♪.°

こなゆきひめ。 feat.まさい→←きまぐれでぃ。 feat.まさい

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す