76色目 「考えても考えなくても球体はちょっと違うと思う」。 ページ33
「……なんだこれ」
「刀装です」
「冗談じゃない……ただの丸い物体じゃねェかよ……」
私の手の中にあるのは、緑色のやたらとつるっとした球体。作ったのは薬研だ。「装備のようなもの」とは聞いたけど、さすがにこれが装備だというのは無理があるだろう、とただじっとりと見つめているばかりだった。
──事の起こりは少し前に遡る。
私が「刀装」を全く理解していないことを知った朱月さんは、その場にいた全員をある部屋の中に連れてきてくれた。こんのすけの代わりに刀装のことを教えてくれるらしい。
部屋には、何やら祭壇のようなものの前に、鍛刀時に見たものと同じような薄い膜が揺れている。そしてそのすぐ奥には、箱に入った資源と、手に収まる大きさの白っぽい玉。
「資源はありますね、よかった。……まず初めに、刀装を作成するのは基本的に近侍の仕事となります。現在の近侍は?」
「俺だ」
「分かりました、では薬研藤四郎、こちらへ」
薬研を呼ぶと、朱月さんは所定の位置に座るように促した。
「みなさんも見ておくといいでしょう。薬研、その膜に触れてください」
「触れるだけか? 分かった」
目の前にあるものをじっとみて、そっと手を伸ばす薬研。指先が膜に触れた瞬間、玉が光りだして突然宙に浮かぶのが見える。本丸は物理法則って知ってるかな、知らないか。
くるくると回っているようにも見えるその玉が、薬研の手のすぐそばまで引き寄せられるかのように動いた。
「それを手に取って、膜の外に出してください」
言われたとおり薬研が玉を取り出すと、光は消え、こちらを振り向いた薬研が言う。
「大将、こりゃ銃兵だ。良かったな」
「……じゅ……じゅうへい……?」
「ほら、こっち来て持ってみろ」
「え……? ええ……?」
流されるままに薬研に出来上がった刀装を持たされた。これが、刀装?
──そして現時刻。
「いくらなんでもこれが装備って無理がありすぎますよ」
「大丈夫です。それを戦場に持っていき、使用時になると種類に準じた形になるので、ちゃんと立派な装備品なんですよ」
「仕組みが分かりません」
「すみませんが俺も知らないんですよね」
細かいことは気にするなと言わんばかりに朱月さんは笑う。
もちろん、そういうところを気にしだしたって意味が無いのは分かっているが、それでも「気にしない」を選択するには私の頭は理解が追いついていなかった。
77色目 「ぶっちゃけると朱月さんの説明の方が好き」。→←75色目 「こんのすけは時として空気であり説明が足りない」。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
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ラッキーアイテム
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ラッキーカラー
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蜂蜜パスタ(プロフ) - 雪さん» コメント、応援ありがとうございます。是非楽しみにしていてくださいませ!(^^*) (2021年1月18日 17時) (レス) id: d4825d5ace (このIDを非表示/違反報告)
雪 - 頑張って下さい(●´▽`●)加州くんとの絡み楽しみにしてます (2021年1月14日 22時) (レス) id: ed2686deb5 (このIDを非表示/違反報告)
ニコ(プロフ) - 蜂蜜パスタさん» おめでとうございます!白山、無事に出で良かったですね! (2020年3月17日 10時) (レス) id: 4b4e0cfc72 (このIDを非表示/違反報告)
蜂蜜パスタ(プロフ) - ニコさん» コメントありがとうございます。白山、無事に出ました。応援までしていただきとても嬉しいです。ありがとうございます´`* (2020年3月17日 10時) (レス) id: 8664ad2299 (このIDを非表示/違反報告)
ニコ(プロフ) - 白山早く出るといいですね!頑張ってください!(ノ≧∀)ノファイトォ─────!! (2020年3月9日 21時) (レス) id: 4b4e0cfc72 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蜂蜜パスタ | 作成日時:2020年3月5日 22時