【刀剣乱舞】愛せないから愛させない。*弍色*

81色目 ｢人は自分が思うより人に思考を伝えないもの｣。 ページ39

そもそもこれが普通の反応だろう。よく考えればそのはずだ。たまたま鶴丸と獅子王は私をすぐに認めてくれたってだけで、普通はこうなる。
あの2人の流れにちょっと慣れかけてあれを求めてた私がいたけど、そう簡単に信じちゃくれないってのは最初分かってたじゃないか。

｢そうだな。まァ色のことに関しては私が悪かった。普通そうだよなァ、自分の思考が他人に見えたら怖いもんな｣
｢……｣
｢信用できないってのも確かにそうだ。ごめん。そりゃ会って1日経ってないのに私の率いる部隊に入れっつーほうが無理な話だわ｣

一気に冷静になった。ちょっと畑掃除をして馴れ合ったくらいで、人の感情はそう簡単に変わらない。ちょっと会話をしたくらいで、相手が心を開いてくれるとは限らない。仕方の無いことだよな。

ふぅーっと大きく息をつき、改めて山姥切を見据え、私はこれだけは伝えようと、口を開いた。

｢部隊には入らなくていいし、私の手伝いもしなくていい。でも1つだけ約束してくれないか｣
｢約束？｣
｢そう。私に、危害を加えないって｣
｢……｣
｢今朝も言った通り、私は新人の審神者で、そもそもここには政府側の手違いで来たんだ。刀剣男士との接し方も、本丸のシステムも、遡行軍だとかのことも、なにもわからない｣

淡々と告げる私を、同じように淡々とした態度で聞く山姥切。

｢元々ここに来る予定なんてなくて、別の本丸で、平穏な生活をしようと思っていた。平和に仕事をこなして、平和に生きて、ある程度のまとまった金が出来たら退職して家戻って好きにしようって思ってた｣
｢……は？｣
｢つまり要約すると、私は殺されたくない。こんなところで死にたくないから、私を殺さないで。ってこと｣
｢……た…たいしょ……｣
｢もちろん私だってお前達に危害を加えることはしない、それは私も約束をする。大丈夫、退職予定に変更はないから、数年か、長くても10年くらいしか私はここにはいないし｣
｢たいっ………｣
｢それまでの間だけ、約束してほしい。私がここにいる間、私に危害を加えないって──｣
｢…大将っ!!!!｣
｢っだぁーもうなんだよさっきから!!!!!｣

信じられないという顔をして、ぷるぷる震えている薬研。私は山姥切と話してるんだよ、と言おうとした私の腕をそっと掴み、こう一言呟いた。

｢大将、一生ここにいて審神者をするつもりじゃなかったのか？｣
｢え｣

どういうこと。つまり？ ……待って。

｢私、一生ここにいるとは1度も言ってない｣

82色目 ｢職務放棄前提の行動も時には賢明と思いたい｣。→←80色目 ｢流れを変えられたら早急に新しい流れについていけ｣。

• 金　運: ★☆☆☆☆
• 恋愛運: ★★★☆☆
• 健康運: ★★★★★
• 全体運: ★★★☆☆

ラッキーアイテム

革ベルト

ラッキーカラー

あずきいろ

ラッキーナンバー

8

ラッキーアルファベット

X

ラッキー方角

西 - この方角に福があるはずです

おみくじ

おみくじ結果は「末凶」でした！

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す