次期社長のお目付役 (ページ6)

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6話ページ6

飲み会が終盤に差し掛かり、一旦離席してお手洗いに行った帰り道、壁に寄りかかってジェシーさんがいた。

誰かを待っているっぽい？

ジェシー「あ、深川さん。」

『ジェシーさん。どうかされましたか？』

ジェシー「あ、えっと。」

ん？なんだろう。

ジェシー「連絡先教えてください。」

連絡先？

名刺渡さなかったっけ？

まあいいや。もう一回渡しておこう。

『こちらに連絡いただければ対応しますので。』

ジェシー「いや、そうじゃなくて。」

ん？

ジェシー「俺、深川さんのことが気になります。だから、プライベートの連絡先が知りたいです。」

冗談だと決めつけようとしたけど、目が真剣で、嘘はついていないことは明白だった。

でも、私は取引先としか見てなかった。

気になるって言ってくれることは嬉しいけど。

ジェシー「連絡先だけ。お願いします。」

『連絡先だけなら。』

ここまで言ってくれるし、連絡先だけならいいよね。

ジェシー「ありがとうございます！今度は2人でご飯いきましょうね。じゃあ、俺先に戻ります。」

ジェシーさん、普通にイケメンだし、不覚にもときめいてしまった。

京本「あ、いた。深川さん。そろそろお開きにするって。」

『あ、はい。わかりました。』

ーーーー

京本「今日はありがとうございました。お気をつけて。」

古川「じゃあ、また。」

とりあえず、満足そうに帰っていったし、よかった。

京本「じゃあ、2人ともありがとう。」

田中「お疲れ。じゃあ、俺帰る。」

田中さん、盛り上げ上手だったな。

私もああいう風にできるようになりたい。

京本「家どのあたり？送るよ。」

え？

『あ、いえいえ。大丈夫です。京本部長、タクシーで帰られますか？』

タクシー呼ばないと。

京本「じゃあ、一緒にタクシーで帰ろうか。」

え？

京本「あ、タクシーいた。はい。乗って。」

ここまで言われるとなんか断りにくいな。

『はい。』

京本「住所は？」

いや、流石に京本部長を先に送ってから帰らないと私の気が済まない。

『先に京本部長の家に。』

京本「東京都港区〇〇まで。」

え、それ。私の住所。

『住所ご存知だったんですね。』

京本「自分の部下の情報なら全部覚えてる。」

京本部長の部下は3000人はいる。
それを全部？すごすぎる。