次期社長のお目付役 (ページ4)

今日:39 hit、昨日:38 hit、合計:25,161 hit

4話ページ4

社長「あの子と少しだけ似ているからかな。」

え？京本部長と私が？

私あんなに優秀じゃないし、あんなに人付き合いが不器用じゃない。

社長「君の中にある陰の部分と、あの子の中にある陰の部分が似ていると思う。2人とも、なんか周りに期待をしてないんだよね。」

なんで。、

上手く隠してるつもりなのに、どうしてわかるんだろう。

『えっと、あの。』

社長「社長だからね、それぐらい見抜けるよ。それに、いつもは秘書をつけると、遠回しに外して欲しいって連絡をしてくるのに、今回は君のこと信用し始めてる。あの子もどこか似たもの同士な雰囲気を感じ取ってるんだと思う。あの子のことどうかよろしくお願いします。」

社長がこんな平社員の私に頭を下げてる。

京本部長のことを本当に大切に思ってるんだな。

『そ、そんなやめてください。頭を上げてください。』

社長「じゃあ、これからも頼むよ。」

『はい。では失礼いたします。』

社長は気がついてるんだ。
京本部長への社内の評価も、京本部長が孤独感を感じていることも。

そして、本当は彼は社長になれるポテンシャルを持っていることも。

私がちゃんと支えないと。

よし。とりあえず、京本部長と仲良くなることを考えよう。

京本「あ、深川さん。いたいた。あのさ、明日のスケジュールなんだけど。」

『はい。明日は、10時から〇〇製菓さんにご挨拶に行っていただいて、その後、本社で会議が2件、夜は△△株式会社さんと会食になります。』

過密スケジュールすぎるかも。

『会議一件明後日に変更しましょうか？』

京本「いや、それは大丈夫なんだけど。会食に深川さんも来て欲しいんだけど、可能？」

私も会食に？

これは絶好のチャンスかも。

『はい。ぜひ出席させていただきたいです。』

京本「じゃあ、よろしく。」

『はい。頑張ります。』

頼ってくれたんだよね？
嬉しいかも。