12話 ページ12
『そんな。払ってもらうなんて申し訳なくて。』
京本「まあとりあえず。お店出るよ。」
『あ、はい。』
払ってもらう理由なんてないのに。
京本「気にしなくていいからって言っても君は気にするだろうから、ご飯付き合ってよ。」
『それでも到底釣り合いません。』
私も時給的にも、一緒にご飯食べるぐらいじゃ釣り合わない。
京本「俺、食べること好きなんだよね。」
ん？
京本「1人だとなかなかいけないお店も多くてさ。一緒に行ってくれると助かるんだけど。深川さんの気が済むまでお礼してくれてもいいよ。」
『私でいいんですか？』
京本「深川さんが嫌じゃないなら。じゃあ、今日は串揚げで。」
『あ、はい。お供します。』
荷物も持ってくれて、さりげなく車道側を歩いてくれて、。
なんで社内で冷血人間みたいな扱い方されてるんだろう。
もったいなさすぎる。
京本「あ、着いた。このお店。」
高そうなお店だ。
京本「聞くの忘れてたけど、アレルギーとかないよね？」
『あ、はい。大丈夫です。』
京本「じゃあ、行こうか。」
そうだ。もう一つ変化があった。
京本部長、気を許してくれているからか笑顔が増えた気がする。
まだ歯を見せて笑うようなことはないけれど、微笑むくらいなら最近笑顔を見せてくれる。
店長「お、久しぶりじゃん。女の子連れてんだ。彼女？」
京本「会社の同僚。いつもの席空いてる？」
店長「空いてる空いてる。飲み物はいつものでいい？」
常連さんっぽい？
京本「深川さん、お酒は飲める？」
『あ、はい。少しなら。』
ん？なんか考え込んでる？
京本「あんまり得意じゃなさそう？、ドリンクメニューもらっていい？」
店長「わかった。」
気使わせちゃったかな？
飲もうと思えば飲めるんだけど。
京本「ここがいつもの席。どうぞ。」
『ありがとうございます。』
隅の方の静かな席。
京本部長らしい。
店長「はい。メニューね。決まったら呼んで。」
京本「ありがとう。何飲む？」
どうしようかな。
京本部長がお酒を飲むなら付き合った方がいいよね？
京本「言っておくけど、業務外だから。体調崩されても困るし、無理しないように。」
『烏龍茶でお願いします。』
京本「わかった。店長、烏龍茶とビール。」
店長「はいよ。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 481人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Akane | 作成日時：2024年3月14日 13時
