スファレライト

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謙「最近落ち着いたね」



「俺がですか」



謙「うん」



「…前は落ち着いてませんでしたか」



謙「あーそういうわけじゃないけど」



ジ「ちょっと清々しくなったよね」




あの子に出会ってから1週間たって
俺はまだあの子のことを忘れられなくて、でも俺の居場所はここにしかないってことを受け入れられた。


「きょうもかわいいね」
「おれのためにきてくれたの？」
「…すきだよ」


今日もかわらず嘘をついて、酒を飲む。
今日もかわらず一駅分歩く。








『きゃっ…』



あの子と出会ったところで、またあの子の声を聞いた。
思わず声のした方を振り返ると



「、は」



あの子が俺とぶつかった時みたいにまた誰かにぶつかって、尻もちをついてた。


なにやってんだよ、

あの子ぜんぜん前向いてないじゃん。



そのぶつかった相手ってのがまた、チンピラをそのまま形にしたみたいなやつで
ショボい映画のワンシーンみたいに絡まれてる





『あの、すいませんでした、』




小さくても凛と響くその子の声に


俺は気づいたら体が動いてた。






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