スファレライト

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初めて付き合う相手がホストなんて、
やっぱあんまりよくはないんだろうな。
あんな綺麗な子のハジメテを、こんな汚い俺が奪っていいのか。
いや、ダメだろ。

その日はずっとそのことを考えていて




樹「なんか今日はずっとひとりで表情がコロコロ変わってんな。」



「え？」



樹「いや、さっきから険しい顔したりニヤけたり悩んだり、忙しいなって」



「俺そんなんだった？」



樹「自覚ないのかよ！すげー百面相だったぞ」



「…ちょっとな」



樹「え〜なんか悩んでんの？オンナ？」



謙「樹じゃないんだからオンナじゃないだろ」



樹「てんちょーひど〜い！！」



謙「はいはいうるさいからゴミ出しにでも行ってこいよ」



樹「えー俺の番じゃなくねぇ？」

店長はうるさい樹を追い出して



謙「…で、なんかあったの、大我」


店長に言うようなことは何もない。
店の外で客とトラブったわけでもないし。



「いや…別に。」



謙「そ。まぁ困ってたら言ってよ」

店長は本当に優しくしてくれる。
俺なんか金にならないし何も覚えてないお荷物ホストだろうに。



「…ありがとうございます」



俺はAちゃんと関わったって何も変わらず汚いんだ。
1度汚れた水は、どんなに純水を足したって、透明にはなれないんだから。
それどころか純水を汚してしまう。


また現実を思い知って、俺は絶望した。









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