『ねえ、京本さん』

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ゲホゲホとむせ返る私を見て、大丈夫か？とオロオロし出す父

私は口元を抑えたままキッチンに走り、蛇口から水を出してそれを口に含む

二三口水を飲んで、数回うがいをして、やっと落ち着いた私の息は、驚く程上がっていた




「ど、どういうこと？なんで友達との再会がお見合いに繋がるわけ！？」


「息子さんが、もう20代後半に差し掛かったというのに色恋沙汰には無頓着らしくてな

うちの娘も恋愛とかにあまり興味示さなくてなーと言ったら

無頓着同士で見合いをさせたらどうか、と」


「おっさんのノリに若者を巻き込むな！」




いいじゃないか、と陽気に笑う父

ちなみに我が家の父は、すごく親バカだけど結婚には前向き

娘をずっと自分の元に置いておくより、嫁に行かせて家庭を持って欲しい

それが本望だと口酸っぱく言われてきた

あと、純粋に孫の顔が見たいんだと




「どこぞの馬の骨にやるくらいなら、親しい友人の息子にやった方が安心できるしな」


「..このことに関してお母さんはなんて？」


「『いいじゃない！博美ちゃんのとこなら任せられるわ！』って」


「博美ちゃん？」


「先方の奥さんだ！」


「夫と妻それぞれで仲良しなの！？」


「4人とも高校一緒だったからな！

で、どうだ？会ってみるだけでも全然構わないぞ！」




上機嫌そうに問いかけてくる父。そしてウキウキ笑顔で私を見る母が頭に浮かぶ


頑固でグイグイくるうちの両親を、止められるか？って言われたら


この人たちの娘を24年している私は、迷わず"NO"と答える




..お父さんの友達の息子さんだし


まぁ一回会ってお話するくらいならいいか。減るもんじゃないし




「分かった....じゃあ会うだけね」


「ほんとか！」




よし、よし！とガッツポーズをする父


そしてすぐ、私のスケジュールを確認して会える日を設定し


今月末、まだ名前も知らない彼と会うことが決まった

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