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Happy New Year2 ページ24

「うぁ〜..寒い〜..やっぱ帰ろ〜..?」


「ホッカイロ握って我慢してください」


「これっぽっちじゃ無理だって〜..無理、寒い、帰ろ、俺は今日ニートになりたい気分」




地元のお寺に到着し、参拝待ちをしている最中

横に立つ京本さんはマフラーに顔をうずめ、両手をポケットに突っ込みながら寒い寒いと連呼

普段の会社に行くときと全然キャラが違って思わずため息が出る

今の彼が普段はビシッとスーツ決めてエリート商社で働いているリーマンだとは信じられない




「あれ、お寺の参拝って手鳴らすっけ」


「鳴らさないです。お寺は一礼、合掌してお祈りしてからまた一礼です」


「ふんふん、了解」


「はい、お賽銭」


「ありがと」




五円玉を渡すと、趣深いねぇ、とこぼす京本さん

両親の影響で昔から日本の古き良き文化をしっかりと守るタチなんだけど

もしかして京本さんはこういうのめんどくさいと思うタチだったのだろうか

少しだけハラハラしつつ横目で京本さんを見ると

鼻先を少し赤くさせながら白い息を吐いて楽しそうに笑っていた









参拝が終わると、京本さんは大きく伸びをして私の横に立つ




「実家にいた頃は父さんの影響でよく行ってたけど

一人暮らしになってからはめっきりだったからなんか久々にすっきりしたわー」


「それならよかったです。あ、おみくじ引きません?」


「引く引く。大吉出るかな〜」




お堂の前と同じくらい混んでいる販売所

お守りを買う人、絵馬を買う人、しめ縄飾りを買う人などなど

そんな人ごみに流されながらふと思い出したように京本さんが声を発する




「Aちゃん、なんてお願いしたの?」


「お願い事って人に言うと叶いづらくなるらしいですよ」


「あ、なんかそれ聞いたことある。じゃあ黙っておこうか」




首をすくめてから少し開いた人ごみの隙間を縫っておみくじを買いに行く京本さん

そんな京本さんの背を見ながら私はハァー、と白い息を吐いてにっこりと微笑みかけた

















































“京本さんの隣にずっといることができますように”









〜 Fin 〜

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朔蘭- sakura -(プロフ) - ハルねこさん» ハルねこさんコメありがとうございます!なるほど、そういう手段がありましたか..!天才ですね(`・ω・´)更新頑張らせていただきます!! (2019年1月1日 19時) (レス) id: a12974444f (このIDを非表示/違反報告)
ハルねこ - こんにちは!いつも楽しく読まさせて頂いてます!私は紅白リアタイ、ガキ使録画派です!これからも更新頑張ってください! (2019年1月1日 17時) (レス) id: f507f19e2b (このIDを非表示/違反報告)
朔蘭- sakura -(プロフ) - 和香(わか)さん» (・Д´・ *)ホォホォ 早くデビューして欲しいわぁ〜。更新頑張るね! (2019年1月1日 15時) (レス) id: a12974444f (このIDを非表示/違反報告)
和香(わか)(プロフ) - 私は紅白派だよ〜!私もカウコン発狂した笑デビューいつかな?更新頑張って! (2019年1月1日 14時) (レス) id: d00ba15efc (このIDを非表示/違反報告)
まさき(プロフ) - 更新ありがとうございます! (2018年12月23日 0時) (レス) id: 870f22a38b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:朔蘭- sakura - | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php  
作成日時:2018年12月17日 16時

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