マーメイドの初恋2 (ページ9)

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『まずは状況の把握
結界の場合はワタシが解除
解除不可･もしくはその他の可能性の場合は悟と傑で破壊
負傷者が出た時は硝子が治療で大丈夫ですか?』

作戦行動を補助監督に確認するAの耳へ不意に響いたのは「帳は俺が降ろす!!傑と先行くなー」という五条の陽気な声に果てしなく嫌な予感しかしない声色に顔を上げたAの視界に既に男子組の姿はなく、硝子がのんびりと歩いて行く後ろ姿だけが映った

『ちょっ、と待って!?』

慌てて駆け出しながら剣印を結び「闇より出でて……」と呪言を紡いだのも束の間、数十メートル先で五条の呪力が高まったと感知した瞬間に派手な爆音が辺りを揺るがせて
Aは成す術なく天を仰いだ

悟｢助けにきたよ～歌姫｣

瓦礫の中で座り込む庵の頭上から声がかかる

悟｢泣いてる?｣
──────呪術高専二年五条悟

｢泣いてねぇよ!!敬語!!｣
──────２級術師庵歌姫

｢泣いたら慰めてくれるかな?是非お願いしたいね｣
──────１級術師冥冥

悟は背後に立っていた冥に向き直った

悟｢冥さんは泣かないでしょ強いもん」
冥｢フフフ…そう?｣

ギリギリと歯を鳴らしていた歌姫が立ち上がった

歌｢五条!!私はね助けなんて──────」

そんな歌姫の背後で屋敷にいた呪霊が姿を現すが、次の瞬間には別の呪霊に飲み込まれた

傑｢飲み込むなよ
後で取り込む
悟、弱い者イジメはよくないよ」
──────呪術高専二年夏油傑

悟｢強い奴イジメるバカがどこにいんだよ｣
冥｢君の方がナチュラルに煽っているよ夏油君｣
傑｢あ"」

庵の顔が般若の如く怒りに満ちていた

硝｢歌姫センパ～イ、無事ですか～?｣

『怪我してないですか?
ご無事でよかったです』
──────呪術高専二年白波A

ひょこ、と五条の後ろから姿を見せたのは硝子とAだった

硝｢心配したんですよ
2日も連絡なかったから｣
──────呪術高専二年家入硝子

歌｢硝子～!!A～!!｣

歌姫は目元に涙を光らせて手を振る2人に名前を呼んで飛びつき抱きしめた

歌｢硝子、A
アンタたちはあの2人みたいになっちゃ駄目よ｣

硝｢あはは
なりませんよ、あんなクズ共」

歌｢特にA
アンタは、特によ!!
まったく、なんで五条なんかを…｣

『アハハ…;』

悟｢歌姫の通ったところ崩れるぞ～｣
傑｢うるせぇー｣

不意にハッと我に帰った歌姫先輩が2日?と尋ねた