マーメイドの初恋2 (ページ8)

今日:67 hit、昨日:52 hit、合計:8,350 hit

･ページ8

悟｢俺もちょうだい
そういう珍しい系たまにあるな(ﾎﾟﾘﾎﾟﾘ)｣

『プリンもあるよ(ｶﾞｻｶﾞｻ)
時間ずれてなくて結界がなくても、ほんとにヤバかったら連絡あるでしょ
2人とも強いし

だから時間ずれてる結界の中かなって…まぁ勘だけど(ﾎﾟﾘﾎﾟﾘ)』

傑｢確かに…｣

二人の生死がどうであれ、早急な現状把握と救援が求められる任務なのは間違いないだろう
補助監督の到着を告げる声に、一同はだいぶ窮屈だった車内から外へ出た
ここから僅かな徒歩を挟んだ先が現場らしい

『～～♪』
悟｢それ、新曲?｣
『デモ
これに、詞をつけるの』

硝｢いいメロディーじゃん｣
『でも、メロディーはできたんだけど詞が浮かばないのよね』
硝｢まっ、そういうこともあるよ｣

その歌姫と冥冥はというと…

歌｢どこまで続くのよ
この廊下…｣
冥｢ざっと30分4㎞くらい移動したかな｣
歌｢生得領域ではないですよね｣

冥｢違うね
あれは、心象風景が具現化する
となると｣

歌｢結界術｣

冥｢正解
被害者達も恐らく閉じ込められたまま、呪霊に捕り殺されたんだろう
でも、術式から考えると呪霊そのものは非力な筈
この結界を抜けることさえできれば
そこで課題だ
歌姫なら、どう突破する?｣

歌｢この廊下はループしてます
はじめは…｣

歌姫は、落ちていたお菓子のゴミを触りドーナツの形を作った

歌｢こんな感じで｣
冥｢よく触れるね｣

歌｢最初はバカデカイ結界も考えましたが、ドーナツのような構造を想像しました
でも、冥さんのつけた印を4回通りましたよね?
その感覚を歩数で計測したところ
122歩･203歩･157歩･270歩と印と印の感覚はランダムでした｣

冥｢なるほど｣

歌｢ループする範囲は定まってない
おそらく、こういう感じでツギハギ状に結界を構成してる
なので、廊下を2人で全速力で走り抜ければ、どこかで…崩れる｣

お菓子のゴミを形バラバラに横に並べ変えた

冥｢んー惜しい90点｣
歌｢あとの10点は?｣
冥｢走るなら左右同時にかな｣

歌｢なるほど
ツギハギ説が正しいとすると、2人別の方向に素早く進んだほうが呪霊の結界の構成に綻びが生じやすい
隙ができれば、外に出られるかも｣

冥｢100点｣

歌｢そうと決まれば
もし成功したら昇級お願いします｣

冥｢貯金いくらある?｣
歌｢はい?｣
冥｢まぁ、いいや考えておくよ｣
歌｢はい｣

歌姫と冥冥は、脱出のため動き出した