【Free!】水依存症2

51滴* ページ3

*貴方SIDE*


貴:ぷはっ・・・


泳ぐって言ってもこの距離はなかなかしんどい。
心配だから怜にはビート板を持たせた。
結構ちゃんとついて来れてる。


真:あと少しだよ、頑張って！


真琴の掛け声が聞こえる。


渚:疲れるね、これ・・・
貴:うん、結構ね・・・
遙:もう少しで休憩だ。


遙は「頑張れ」って言いたいのかな？(笑)
初日目だし無理はしないでしょ、大丈夫だよ。


真:はぁ・・・着いた・・・。
渚:なかなかペース保つのが大変だよね、


今日の練習は無理せずに少しずつ慣らす程度で終わった。


江:A先輩はこの後どうしますか？
貴:ん？何が？
天:女の子だし、取ろうと思えばAちゃんの分の宿は取れるけど・・・


ぁー、なるほど。


貴:ありがとうございます、でも大丈夫！
天:そう？無理しないでね？何かあったら連絡するのよ？


心配症のお母さんみたい。
僕は真琴と怜と同じテントで寝ることにした。
遙は猛烈に反対したが、今回は僕も引かなかった。
疲れてるはずなのに、なんだか眠れそうにない。


真:じゃ、おやすみ。
怜:おやすみなさい。
貴:うん、おやすみ・・・


ダメだ、何でだろう？寝れない。
まるで神様が「寝てはいけない」なんて言ってるみたい。馬鹿馬鹿しい。
でもやっぱり寝れなくて、僕は砂浜を歩く事にした。


貴:・・・。


月が見え隠れする夜の海。
昼とは違ってキラキラして見える。
今の僕には目障りだ。


遙:A、寝れないのか？


貴:遙・・・。うん、ちょっとね。
遙:俺もだ。
貴:僕には、今、目の前にある海が綺麗なんて思わない。
遙:あぁ。


しばらく2人で歩いて、砂浜に座った。


遙:テントの外に出たらA見つけて驚いた。
貴:あはは・・・ごめんね？驚かせちゃって(苦笑)
遙:怖かった。・・・Aが海に吸い込まれて行きそうな気がして。
貴:遙の方こそ吸い込まれそうだよ？(笑)


僕は軽くあしらったけど、遙は本気だったと思う。
でも今の僕には遙の気持ちを受け止められなかった。
流石にそろそろテントに戻る。

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これから起こる悲劇を僕達はまだ知らない。

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2013,9,4更新

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