10.嫌な予感がする ページ10
ある程度話した後、私は練習の様子の見学や、各楽器の体験などをさせてもらった。
元々1度ギターを弾いてみたい、という想いがあったので今日はとても良い1日になったような気がする。
鈴木くんや村上くんは体験中に「飲み込み早いなぁ。」と褒めてくれたし、嬉しかったなぁ。
THE ORAL CIGARETTES、か。
きっとこれからどんどん大きなバンドになっていくんだろう。
彼らの成長が楽しみで仕方がない。
.
「なぁなぁ、Aちゃん。」
「あ、えっと…中西さん。」
「まさやんでええって。」
「じゃあ…まさやん、さん？」
「それ逆に呼びにくくない？普通にまさやんて呼んで。あと敬語は肩苦しいから禁止。」
「えぇ、難しい…」
予約時間終了まで残り10分。
みんなで片付けをやっていたら、私は突然中西さん…じゃなかった、まさやんに話しかけられた。どうしたんだろう。
「俺らこの後4人でメシ行こーって話してたんやけど、もし良かったらAちゃんもどう？」
「あ、あぁ…」
別に今日はなにか予定が入っていたわけでもなかったし。
電車の時間も多分大丈夫だから…
「じゃあ…「ごめんまさやん。俺今日パス。Aさん送ってくから。」…へっ！？」
声のする方を見ると、いつの間にか私の横に山中くんがいる事に気がついた。
「そっか、じゃあ3人で行ってくるからAちゃんのことよろしくな。」
「えー！！拓也だけずるい！俺も送る！！シゲも行こ！！」
「なんでやねん。ほら、メシ行くぞ。今日どうせまさやんの奢りなんやし。」
「ちょっと待てそれ俺聞いてへんぞ！！」
呆然としている私の前で繰り広げられる、まるでコントのような会話。
あ…これ見てて面白いやつだ。
少し笑いを堪えながら隣をちらっと見ると
また山中くんと目が合った。
背筋の凍るような冷たい目…ではなく、いつもの優しい山中くんの目。
うん、やっぱりさっきのは勘違いだったのかもしれない。
そんなことを考え1人安心していると、いつの間にか片付けは終わっていたので、みんなでスタジオを後にした。
.
「また明日なー！！！」
スタジオの入口付近で3人と別れ、とうとう私は山中くんと2人きりになる。き、気まずい…
「じゃあ、私達もそろそろ行こっか。」
何も起きないことを祈りながら山中くんと駅まで歩き出そうとした。
…が、やはり彼と2人きりでは何も起こらないわけがなかった。
「ちょっとこっち来て。」
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鏡花(プロフ) - みるふぃーゆさん» ｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞわざわざコメントありがとうございます……更新頑張ります……！！ (2021年3月1日 18時) (
レス) id: 06f9fd4453 (このIDを非表示/違反報告)
みるふぃーゆ(プロフ) - めちゃめちゃ面白いです！！続きが更新されるのが楽しみです^_^ (2021年2月28日 21時) (レス) id: ed7d8d6f10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鏡花 | 作成日時：2020年10月11日 11時
