5.本当の貴方は ページ5
静かにそう呟いた山中くんの顔は
いつもの優しい笑顔、ではなく
背筋が凍りつくような笑顔をしていた。
あ、れ…？
山中くんの視界に自分が入っていることが分かると、人間の本能的に恐怖を感じたのかそこから動けなくなった。
獲物を狙うかのような目つきが冷たくて、怖くて、
私の体中の細胞が「危ない」と警報を鳴らす。
でも、もう遅い。
その警報に気づいた時には、既に私と彼の唇は重なっていた。
.
「んぅ、！？」
突然の事で頭が真っ白になった。
なに？なにが起きてるの？
無理やり舌が口の中に入り込んできて、酸素が足りず息が苦しくなる。
必死に抵抗するが、山中くんに後頭部をしっかり掴まれていて逃げることが出来ない。
「っ、はぁ…」
やっと唇が離れると、彼はそのまま私の腕を引っ張り力強く抱き締めた。
「ちょ、なにやって…っ！！」
「ん？いや、Aめっちゃ可愛い反応するなーと思って。」
「はっ！？」
さっきまでの優しい山中くんはどこ？
というか名前呼びに変わってる…？
つい数分前に話していた時とは全く違う山中くんのテンションに1人パニックになっていると
山中くんの口からとんでもない言葉が発せられた。
「Aは、今日から俺のペット。ええな？」
「…はい？」
ペ、ペット？？
「さっき『何でも言うこと聞くから』って言ってくれたやろ？だから、Aは今日から俺のペットになって。」
「いっ、いやいやいや！言うこと聞くとは言ったけどそんなこと…」
「拒否権なんて無いから答えは「Yes」な。あーよかった。じゃあそろそろ教室戻ろうか。」
「ま、待って！山中くん！」
私は歩き出した山中くんの腕を掴んでなんとか話を続けようとしたが
彼には話し合う気など無かったようで
「言い忘れとったけど、2人の時は拓也って呼んでな。やないとまたキスでそのうるさい口塞ぐで？」
ゆっくりと振り返って私の顎を持ち、顔を近づけた。
「…っ！！」
「ご主人様の言うことは絶対やから。」
耳元で低い声が甘く響いて、心臓がうるさくなる。
た、大変なことになってしまった……
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鏡花(プロフ) - みるふぃーゆさん» ｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞわざわざコメントありがとうございます……更新頑張ります……！！ (2021年3月1日 18時) (
レス) id: 06f9fd4453 (このIDを非表示/違反報告)
みるふぃーゆ(プロフ) - めちゃめちゃ面白いです！！続きが更新されるのが楽しみです^_^ (2021年2月28日 21時) (レス) id: ed7d8d6f10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鏡花 | 作成日時：2020年10月11日 11時
