21.助けるべきもの ページ21
「あ、あとさ。ちょっと話変わるけど…A、最近拓也に変なことされてへん？」
「変なこと…」
あんなことやこんなこと、数え切れないくらいされてます。
…なんて、言えるわけがない。絶対に。
「俺と拓也は中学の時からの親友なんやけど、あいつ結構交友関係狭うて。ほんまに信頼した人にしか心開かへんの。特に女子なんか…本人は苦手って言うとるけど、多分嫌いなんやと思う。」
「女嫌い…ってこと？」
「そう。せやから今年Aが転校してきた時はビックリしたよ。席が隣とは言うても、避けるどころか拓也から話しかけたんだもん。もしかしたら拓也、Aのこと気に入ってんちゃうかなーって思って。」
「えぇ…」
確かにいろんな人の話聞いたり、普段の生活見たりしてて、あまり女子と接点がないなとーは思ったけど、女嫌いって…
じゃあ今私にしてることは一体何なの…？
「Aがなんかあった時は、俺が絶対に助けるから。1人で抱え込まんでよ。」
そう言うと彼は私の顔を覗き込みながら、優しく頭を撫でてくれた。
体がかあっと燃えるような恥ずかしさが込み上げてくる…あれ、なにこれ。心臓が痛い。
けど拓也くんの時とはちょっと違うような…？
「へぇ、そんな顔するんやね…もっと俺に見せて？」
「えっ、ちょっ、待っ…！？」
彼の綺麗な手は、髪の根元から下へとゆっくり移動して、毛先を指にくるくると絡ませる。
反対の手は、ペットボトルを持っていたはずなのにいつの間にか私の手にひっそりと重なっていた。
これは、逃げようにも逃げれないやつ…
「…ごめん。Aの反応が可愛かったから、つい遊んでもた。休憩終わろ。」
彼はそう言うと立ち上がり、私に向かって手を差し伸べる。
「立てる？」
「う、うん。ありがとう…」
村上くんの手を取り、再びグラウンドへと足を向けた。
村上くんに振り回されていたら、いつの間にかさっきまでの不安は消え去っていた。
不思議な人…だけどやっぱり優しい。
もう迷いはない。
みんなの役に立てるように頑張らなきゃ。
私は心の中でそう決意した。
「…あーあ、また他の男に尻尾振っとるし。」
その様子を拓也くんが見ていた、なんて知らずに。
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鏡花(プロフ) - みるふぃーゆさん» ｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞわざわざコメントありがとうございます……更新頑張ります……！！ (2021年3月1日 18時) (
レス) id: 06f9fd4453 (このIDを非表示/違反報告)
みるふぃーゆ(プロフ) - めちゃめちゃ面白いです！！続きが更新されるのが楽しみです^_^ (2021年2月28日 21時) (レス) id: ed7d8d6f10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鏡花 | 作成日時：2020年10月11日 11時
