20.これが天使か ページ20
練習開始から30分後。
自分の運動神経の無さにドン引きした。
「もう、ほんとごめんなさい…」
「そんな謝らんでええって、まだ練習始めたばっかやん。」
元々運動が得意な訳ではない私は圧倒的に体力が無く、すぐに息が上がって足が縺れてしまう。
私だけならまだしも村上くんまで転ばせてしまうのは申し訳なさすぎる…
「ちょっと休憩しよっか。」
その声色からは、彼の優しさが滲み出ていた。
.
これは流石にちゃんと練習しないとやばい。
当日罵声が飛んできたらどうしようか…いやこれでも私頑張ってるんだよ、でもそれ以上に運動神経が壊滅的なんだよ。
完全に落ち込みモードの私は、「もっと頑張れよ！」と言わんばかりに光を照らして来る太陽が憎く感じてしまう。
夏とまではいかないがやはり日が出ていると暑い。
この前山中くんに付けられた跡を隠すためにジャージを着ているのこともあって、余計に暑い。暑すぎる。
日陰のある場所に座って深いため息をつくと、突然頬に冷たいものが当たった。
「わっ…！！」
「ふはっ、疲れたやろ？冷たいもんどーぞ。」
振り返ると、2本のペットボトルを片手にくしゃっとした笑顔でこちらを見つめる村上くんがいた。
いや待って顔が近い、近すぎる…っ！！
「ありがとう…あっ、お金は、」
「俺が勝手に買ってきただけやから。」
「でも…っ」
「倒れて練習出来なくなったら元も子もないやろ。はいこれちゃんと飲んで。」
差し出されたペットボトルをずっと持たせるわけにもいかなかった私は、彼の厚意に甘えさせてもらうことにした。
あ、これレモンの炭酸だ…美味しい。
私の隣に座った彼は、一緒に買ってきたであろうスポーツドリンクを飲んでいる。
.
「最初から完璧な人間なんておらへんし、そこまでヘコまんとってな。」
「運動出来ない奴が体育祭出るとかダメすぎるでしょ。それに村上くんに迷惑かけまくってるし…」
「迷惑だなんて思ってへんよ。俺、正直こうやって体育祭を通してAと仲良くなれるのめっちゃ嬉しいし…短い間やけど、2人で協力して頑張ろ？な？」
あぁ、優しい。村上くんはあの(自称)ご主人様と違ってめちゃくちゃ良い人だ…後ろに天使の羽が見える…
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鏡花(プロフ) - みるふぃーゆさん» ｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞわざわざコメントありがとうございます……更新頑張ります……！！ (2021年3月1日 18時) (
レス) id: 06f9fd4453 (このIDを非表示/違反報告)
みるふぃーゆ(プロフ) - めちゃめちゃ面白いです！！続きが更新されるのが楽しみです^_^ (2021年2月28日 21時) (レス) id: ed7d8d6f10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鏡花 | 作成日時：2020年10月11日 11時
