11.ペットの躾 ページ11
彼に腕を掴まれ連れていかれた先はスタジオ近くの路地裏。
壁に強く押し付けられると、ゴツゴツとした男らしい彼の手によって私の手首は力強く拘束され、身動きが取れなくなる。
「すぐ他の男にしっぽ振るAが悪いんやで？」
俺そんな子に躾けた覚えは無いんやけどなぁ、
なんて言いながらゆっくりと顔を近づける山中くん。
少し長い前髪から見える彼の大きな目と自分の目が合って、身体が震える。
「なんで俺に何も言わずにここに来たん？」
「それはっ、あきらくんに突然誘われて…」
「ちゃんとご主人様に報告するのがルールやろ。」
「え、えっと…」
他になんて説明しようかと脳をフル回転させて考えてみるも、当然結果は全て同じ。どうすれば納得してもらえるの全然分からない。
でも一刻も早くこの状況を変えないと…
どんどん距離が近くなって、私の考えた言い訳は速まる心臓の音と共に崩れていく。
「やまっ…拓也く「なーんてな。」
…え、」
彼の言葉に、驚き思わず緊張で瞑っていた目を開けると
突然私の視界は真っ暗になった。
「ひゃあっ！？」
後方から感じる重さと自分の体に回された腕から、何となく彼に後ろから抱き締められている状況だということが理解出来た。
視界は…多分、手で目元を隠されているから見えないのだろう。
「悪いことしたペットに罰を与えるのは当たり前やろ？」
少し掠れた彼の声がいつもより鼓膜に響いて、もう何も考えられなかった。
「…っあ、」
ピリッと首元に走った小さな痛み。
彼の甘い行動は止まらず、どんどん赤い跡が残されていく。
「声出したら周りの人にバレるけどええの？」
「よくな、い…っ」
「ふはっ、まぁ楽しんどるみたいやし別に心配せんでもええか。」
どこをどう見たら楽しんでると思えるんだ。
心の底からそう思ったが、生憎今の私にそんなことを言う暇は無かった。
「ん、もうぼちぼち行かへんと電車遅れるなぁ。ほら、ここら辺治安悪いし絶対手離したらあかんで。」
何分か経って山中くんは手を離し、何事も無かったかのように私に向かって手を差し伸べる。
何この切り替えの速さ…
「この自由人め…」
「ん？まだお仕置されたい？」
「なんでもないです。」
素直でよろしい、と彼は笑顔で言うと
この前と同じように手を繋いで歩き始めた。
ある程度高校から離れているとはいえ、この状況を誰かに見られたらどうすればいいのだろうか…
12.気づいてしまった(a.a.side)→←10.嫌な予感がする
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鏡花(プロフ) - みるふぃーゆさん» ｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞわざわざコメントありがとうございます……更新頑張ります……！！ (2021年3月1日 18時) (
レス) id: 06f9fd4453 (このIDを非表示/違反報告)
みるふぃーゆ(プロフ) - めちゃめちゃ面白いです！！続きが更新されるのが楽しみです^_^ (2021年2月28日 21時) (レス) id: ed7d8d6f10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鏡花 | 作成日時：2020年10月11日 11時
