君しかいないんです(blen_Gt.Vo.) ページ31
「ほんっっとなんなの!?どいつもこいつも幸せそうにしてさぁ!!」
「仕方ないでしょ今クリスマスシーズンなんだから、ほら水飲みな。」
「お兄さん生ビール1つ!!」
「おいこらA!!人の話を聞きなさい!!」
テーブルに項垂れる私を見て少し呆れながら「そんなんじゃまた明日二日酔いして『しんどい〜駿一助けて〜』って言うことになるよ?」と笑う彼は幼馴染の駿一。
私がいつもストレスや悩みを溜め込んでいる時相談する相手であり
今みたいに文句を言いつつも最後までちゃんと話を聞いて慰めてくれる…まぁ、良い奴だ。
「街を歩けばクリスマスソングが流れ、周りには手を繋いでイチャつくカップル達がいる。なに?非リアなんて消えてしまえってか?!」
「それを非リアの俺に言うなよ。」
「駿一は…確か片想いしてる子がいるんでしょ?じゃあいいじゃん。はよ告白しろ。そして爆発しろ。」
「応援してくれたと思ったら急に何こわっっ!!お前そんなんだから彼氏出来ないんだろ!!」
「うるさいメガネ!!」
昔と変わらない距離感で会話しつつも、彼の正論が心の奥に刺さって気分は更に沈んでいく。
ほんと、この歳になって付き合うどころか好きな人も出来たことが無いなんて恥ずかしすぎるでしょ…
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正直、告白された経験が無いというわけではない。
ありがたいことに、こんな女でも好きになってくれるような人達は存在したのだ。
だから自分自身、その人達と仲良くなって人生を変えようと頑張ってみたものの
結局そのまま大きな恋愛に発展することにはならないのがほとんど…
『「彼氏が欲しい」と昔から言ってきたのに、巡ってきたチャンスは自ら逃している。』
自分がそんな最悪な状況になっていることに気づいたのは、青い春を過ぎて仕事に追われている今。
仲が良かった友達からも徐々に結婚の知らせが届き、焦る気持ちは大きくなるばかり。
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「やっぱ私恋愛向いてないのかな。」
「お待たせいたしました生ビールですー!!」
ため息をつくと、先程頼んだビールが元気いっぱいの爽やかお兄さんから届けられた。
この時期にバイトなんて大変だろうに…偉いねお兄さん…
愚痴を吐いて熱くなった喉に勢いよくその冷たい液体を流し込む。あぁ、幸せ…
アルコールの気持ちよさからもう全てがどうでも良く感じてきて、私は再びテーブルに項垂れた。
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鏡花(プロフ) - カノープスさん» わっ、わざわざコメントありがとうございます…!!初作品なのでいろいろ拙い部分もありましたが、楽しんでいただけたようで何よりです。次回作頑張ります!! (2021年1月1日 12時) (レス) id: 2fe5166eed (このIDを非表示/違反報告)
カノープス - 完結おめでとうございます!いつも更新される度わくわくしながら読ませて頂いてました…次回作も楽しみにしております! (2021年1月1日 12時) (レス) id: e30a93ed77 (このIDを非表示/違反報告)
紗那_sana(プロフ) - 鏡花さん» え、すっごい楽しみですほんとありがとうございます! (2020年12月6日 13時) (レス) id: 00903003ac (このIDを非表示/違反報告)
鏡花(プロフ) - 紗那_sanaさん» 紗那さんありがとうございます…ちなみにこれ終わったら年明けにユニゾン短編始める予定ですのでお楽しみに…(おい) (2020年12月6日 12時) (レス) id: 2fe5166eed (このIDを非表示/違反報告)
紗那_sana(プロフ) - 了解しました!無理はしない程度に最後までがんばってください!応援してます^^* (2020年12月6日 7時) (レス) id: 00903003ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鏡花 | 作成日時:2020年9月7日 15時