悪魔の囁き(xiix_Gt.Vo.) ページ22
「斎藤さん、鍵どこですか？」
「んー、ポケット…」
「ちょっと失礼しますね。」
ジャケットの中に付いているポケットを軽く漁ると、鍵らしきものが私の手に触れた。多分これかな。
少し足元がおぼつかない斎藤さんを支えながらドアを開け、ゆっくりと暗い室内に足を踏み入れる。
.
10月31日
『Halloween knight』のMV撮影、BOOM BOOM BOOMの配信ライブなど詰まりに詰まっていたXIIXの活動が一通り終わり
斎藤さんと須藤さん、私たちXIIXのスタッフで打ち上げを行った。
ハロウィンということもあり、店の中では四方八方から楽しそうな声が聞こえてくる。
良い曲を作れたことや、納得のいくパフォーマンスを披露できたこと、配信ライブで高校の後輩であるSKY-HIさんに会えたことなど
様々な嬉しい出来事が重なったからか、打ち上げ中斎藤さんは珍しく酔っていた。
「ごめんAちゃん、宏介のことお願いしてもいい？俺この後まだ寄らないといけない所があるから、宏介の付き添い出来なくて…」
解散後、須藤さんに斎藤さんの付き添いを頼まれたので
私は彼をタクシーに乗せてなんとか住所を聞き出し、運転手さんにそこの近くで降ろしてもらえるよう頼んだ。
「んふふ、Aちゃんが隣にいる〜」なんてふにゃっと微笑みながら私の肩にもたれかかる斎藤さん。
…ずるいよなぁ、ほんと。
.
先程まで、「Trick or Treat」なんて言いながら騒ぐ人達で溢れかえる街にいたのに。
どこまでも暗く、小さな足音だけが聞こえる室内が不気味で。
まるで私と斉藤さんの2人だけが、別の世界に迷い込んでしまったかのようだった。
「あの、寝室って…」
「こっち。」
斎藤さんは突然私の腕を掴んで部屋に向かった。
『早く手を振りほどかないと危ない』
脳が何度もそう警告するが、体は思うように動いてくれない。
彼の華奢な腕からは想像つかないほど強い力で握り締められて
ちゃんと男なんだな、なんて今更ながら実感してしまう。
部屋の扉が開くと、斎藤さんは私の腕を引っ張って強引にベッドの上に押し倒した。
もう、嫌な予感しかしない。
「っあの、」
「ねぇ…前にAちゃんが俺に告白してくれたの、もちろん覚えてるよね？」
斎藤さんの虚ろげな瞳は、私を捕らえて離さなかった。
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鏡花(プロフ) - カノープスさん» わっ、わざわざコメントありがとうございます…！！初作品なのでいろいろ拙い部分もありましたが、楽しんでいただけたようで何よりです。次回作頑張ります！！ (2021年1月1日 12時) (
レス) id: 2fe5166eed (このIDを非表示/違反報告)
カノープス - 完結おめでとうございます！いつも更新される度わくわくしながら読ませて頂いてました…次回作も楽しみにしております！ (2021年1月1日 12時) (レス) id: e30a93ed77 (このIDを非表示/違反報告)
紗那_sana(プロフ) - 鏡花さん» え、すっごい楽しみですほんとありがとうございます！ (2020年12月6日 13時) (レス) id: 00903003ac (このIDを非表示/違反報告)
鏡花(プロフ) - 紗那_sanaさん» 紗那さんありがとうございます…ちなみにこれ終わったら年明けにユニゾン短編始める予定ですのでお楽しみに…(おい) (2020年12月6日 12時) (レス) id: 2fe5166eed (このIDを非表示/違反報告)
紗那_sana(プロフ) - 了解しました！無理はしない程度に最後までがんばってください！応援してます^^* (2020年12月6日 7時) (レス) id: 00903003ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鏡花 | 作成日時：2020年9月7日 15時
