それぞれの気持ち 2 ページ44
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『私は，ここにきて少し怖くなったの。
今まで，全部自分で決めてきたと思ってた。
剣道や柔道をやったこと，警察官になるって決めたこと…。
でも，それは親から与えられてた選択肢だったって，今になって初めて気づいた。
気づいて，口に出したら，自分がわかんなくなって，壊れちゃうんじゃないかって，ずっと怖かった。
気づかないフリしてよう，って思ってたけど，今はそれも全部受け止めようって思ってる。
今はもう怖くない。
私とおんなじ環境で，藻搔いて，頑張ってる人がいるって知ったから。』
涙を浮かべながら杣と伊佐木を見て，思いを伝えたA。
二人の心からの思いを聞き，警察官になりたい，という思いが自分の中にも強くあったことに気づき，取り返しのつかないことをしたと涙を流す。
「…ごめん，聞いちゃってた。」
突然入室して来た石上に，３人の視線が集まる。
石上が伊佐木に渡したのは休校届だった。
「元気な赤ちゃんを産んで，帰っておいでよ。」
自分も休校し，復帰したからこそ，その言葉にはあたたかさがあった。
「先輩としてさ，みんなで待ってるよ，伊佐木さんのこと。」
「俺も，もう逃げない。母親からも，自分からも。
俺たちも強くなるから。
伊佐木さんも絶対帰って来いよ。」
『陶子ちゃん，待ってるからね。
…指導官として鍛えてあげるから！』
ふふ、と遠慮気味に笑って冗談を言うAに，伊佐木の瞳が揺れる。
堪えきれなくなった涙が一筋，二筋と頬を伝う。
「っ…！ありがとうっ…！」
翌日，休校手続きを終え，学校を後にする伊佐木が見たのは誇らしげに，全力で機動隊訓練を行う杣とAの姿だった。
「絶対，追いつくからね」
少し膨らみ始めたお腹に手を当てながら小さく呟いた言葉は，きっと二人に届いたはずだ。
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まるちゃん(プロフ) - KaNaNaさん» コメントありがとうございます！最後まで読んでくださり、ありがとうございます！これからも、こちらに遊びにいらしてくださいね。ありがとうございます！ (2021年2月11日 11時) (
レス) id: 727445f91f (このIDを非表示/違反報告)
まるちゃん(プロフ) - ナミヲさん» お名前にクスッと来てしまいました。向井さんのファンでしょうか？コメントありがとうございます！番外編も面白そうですね！検討してみます！ (2021年2月11日 11時) (レス) id: 727445f91f (このIDを非表示/違反報告)
KaNaNa(プロフ) - 完結おめでとうございます！とっても面白かったです！これからも頑張ってください！ (2021年1月29日 22時) (レス) id: d8ec937809 (このIDを非表示/違反報告)
ナミヲ - 完結お疲れ様でした！！2人のその後など番外編読みたいです！！ (2021年1月29日 20時) (レス) id: 7912cad76d (このIDを非表示/違反報告)
まるちゃん(プロフ) - さつちさん» コメントありがとうございます！あともう少しで完結するので、お付き合いよろしくお願いします！あたたかいお言葉、ありがとうございます！ (2021年1月27日 18時) (レス) id: 727445f91f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まるちゃん
| 作成日時：2021年1月16日 22時
