【教場】初任科第200期短期課程

なりたかったもの ページ39

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談話コーナー。


中々課題を解決することができない生徒たちが集まり，自然と先日の風間の授業で書かされた“なりたかった職業”の話になる。




この間のアンケート，なんて書いた？という比嘉の問いかけに，それぞれが答える。




忍野は「警察署でのアルバイト」。

小さなときに自分を変質者から守ってくれた警察官に憧れ，警察官になり，生活安全課での職務を希望している彼女。

もしも試験に不合格でも，非常勤職員として警察署で働こうと思っていた。



頑張ろう，という思いがから回る自分に思わずため息をこぼす忍野。






「大丈夫ですよ。忍野さんは目に見えて強くなりました。
きっと，いい警察官になれます。」





そうどもるような口調でフォローしたのは漆原。


彼は，やりたい職業もなかったため，「ニート」と記入したという。

元々，警察学校に入校したものも厳しい中で訓練されれば，ルーズな性格が矯正されるからだと親に勧められたからだった。





だが，今は違う。


自分のせいではないが，亡くなるきっかけとなる事故の直前まで自分のことを気にかけ，励ましてくれた宮坂の分も，自分が立派な警察官になろうと，自身を奮い立たせていた。






「お前もさ，変わったじゃん。
最近は学科の成績も上がってきてるし，遅刻もしなくなった。
絶対警察官になれるよ。」






笑顔で漆原を励ます比嘉は，「体育教師」。


小さなころから習っている剣道が続けられるから，という理由だ。


田澤に唆され，誘いに乗りかけてしまった，意志の弱さ。彼もまた，警察学校に入校して自身の考えの甘さを思い知った。





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