File.2 - 異能力者と出会ったあの日[CASE.松田陣平] ページ2
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[ 異能力 ]
常識では起こりえない現象を起こす特殊な力。
単純に『能力』とも称され、異能力を宿す人間は『異能力者』と呼ばれる。
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「異能力、ねェ」
「ん?何か引っかかることでもある?」
「いいや、別に」
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俄に信じ難い事実は俺たち警察に渡すべき案件じゃないとつくづく思う。
ヨコハマ中心に存在する異能力を持つ人間。でも実際そんな相手を見たことはない。
だからこそ信じられないし、信じる奴も少ない。かく言う俺も信じられない側の一人だ。
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「信じられない気持ちは分かるけど事実よ。現に[内務省異能特務課]が存在してるんだから」
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[内務省異能特務課]
異能力という公にしずらい現象を特権的に扱い、自身らも特権的に異能を駆使することを許された組織。
表向きは存在しないことになっているらしいが関わりのある警察内部の人間なら誰でも知っている存在。
そして[絶対に関わりたくない]と言われている程、異端な組織でもあった。
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「佐藤さんはどう思いますか?」
「[信じられない]って気持ちは捨てきれてはいないわね」
「刑事やってりゃ非現実的なことにもぶつかんだろ。それに、この町だしな」
「あら、珍しい。松田くんこそ[信じてない]って顔してるのに」
「どんな顔だよ」
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そんな話をしつつ始まった会議。
公安・捜一合わせて多くの刑事が集められている。
その纏め役にいるのが[異能特務課]だ。
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「お集まりいただき有難う御座います。私の名は坂口安吾。早速ですが会議に移らせていただきます」
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近頃異能力者の行動が活発化しているらしい。
この町でも何件か被害が出ていて、流石にマズイと思ったんだろう。
説明は[異能力者][異能力]に至るものばかりだ。
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「___..そして最後に。異能力者と遭遇した際には決して一人で対応しようとはしないでください」
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[異能力に対抗できるのは異能を持つもののみ]
いつか異能力者に遭遇した刑事が報告をせず、単身で乗り込んで死.亡した例がある。
それがあってか刑事になりたての頃からこっぴどく言われ続けていた。
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「ポート・マフィアに武装探偵社..なんだか別世界の話みたいですね」
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[信じられない]___..否定はしねェ。
俺もそう思ってた側の一人だ。
あの日までは。
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「“お邪魔しま〜す“」
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3年前のあの日。
あの観覧車で俺は出会ったんだ。
こっぴどく言われ続けてきた[異能力者]ってやつに。
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作者名:夾 | 作成日時:2021年9月4日 11時