【暗殺教室】ねじれの位置【磯貝悠馬】 (ページ8)

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ねじれの位置が6つページ8

────ブニョンブニョン

6時間目、小テスト。個人に合わせた問題に設定されているそれを解いてる効果音はそんな柔い音で支配されていた。赤羽業にやられて大分お怒りなのを察する。

「ねー小野寺ちゃん、甘いの好き？」

問題が解き終わって机に突っ伏す瞬間を狙って彼は話し掛けて来た。

「飴あるよ、食べる？」

彼とは隣の席になるのは今回が2度目である。2年の時は私のクラスが上がってしまった為クラス自体が違ったが1年の秋、私が丁度翼さんに引き取られた時に隣の席になった。

手を伸ばして彼から飴玉を受け取る。イチゴミルク味しか持ち歩かない彼の手は少しだけ冷たい。口の中にそれを放り込むとまたタコは私に注意を促した。どうせ諦める癖に。

「ははっ、どんまーい」
「いつものこと」

彼は変に踏み込んだりしない。表面上で駄弁って事を終わらせる。そんな彼だからこうして話せるのだろう。

「…じゃ、殺りますか」
「殺り過ぎてもパターン読まれるだけ」
「えー俺そんな一途じゃないよ」

怪物に聞こえない位の音量で行われた会話を飴を噛む音で遮断する。煩いと注意されたカルマは何処からともなく出て来たジェラートを舐めた。

それ、彼奴が大事に取っておいた奴じゃ…。

「残りを先生が舐めるだけです！！」

まただ。床にばらまかれたBB弾を踏んづけて足を溶かす。その後思い切り撃たれた銃弾を避けて怪物はカルマをよく観察した。

「何度でもこういう手使うよ。授業の邪魔とか関係無いし」

カルマの教師に対する憎悪は凄い。殺したくて殺したくて仕方ないのだろう。停学になってすぐ、彼とやり取りしたメッセージを思い出す。

「じゃね先生～。明日も遊ぼうね！」

彼にとってこれはゲームなのだ。先生を殺すというゲーム。生物的にでも、社会的にでも、なんでも良い。彼が死ねば赤羽業の勝利なのだ。