【暗殺教室】ねじれの位置【磯貝悠馬】 (ページ37)

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ねじれの位置が35つページ37

続潮田渚side

緊迫な空気が続く。外国人っぽい人は殺せんせーを見て気持ち悪そうな顔をしている。対する殺せんせーの表情はいつも通り読めなくて此方まで不思議な気持ちになった。

「さっきから言っているでしょう、このE組の担任です。殺せんせーと呼んでください」

ニヤリ、そう笑いながら地球を爆発する予定の超生物はそう言った。

「せんせー…ねぇ？Aさんの担任でもあるの？」
「えぇ勿論」

殺せんせーの即答を聞いて、男の人もニヤリと笑った。そう、と小さな声で呟いて唇を結ぶ。
彼から湧き出るオーラを見た事がある。というか、それは僕等の中では日常となっているオーラだった。

殺気。

「それを聞いて安心したよ」

そう言った刹那、その男の人は殺せんせーに突進した。やばい。あの先生に無防備に突進したって何の意味も無い。殺せんせーの近くに居る木村君や倉橋さんは後ろの方に身を引いた。

────グジュ

音だけがした。先生の体が溶ける音じゃない。先生の体の形が変わる時の音だ。

「…マジかよ」

小さな声がした。多分だけど、後ろに避けた木村君だ。暫くすると驚いた息遣いが聞こえて来た。その男の人の物だ。

「ば、ばば、化け物ッ！！」

尻餅を付いた。当然だ。殺せんせーのお腹に刺さっているのは金属製のナイフ。その周りは粘液が状態変化をしたのか蒸気が出ている。

「こんな普遍的な物は効きませんねぇ。
さぁ、小野寺さんに何の用件なのか違う場所で聞かせて頂きますよ？」

あ、殺せんせーの顔色が変わった。
緑と黄色のしましま模様、完全に舐められてる。思わず苦笑いを零してしまったけど仕方の無い事だろう。殺せんせーが来てくれて安心したんだから。

「お前がした事は椚ヶ丘中学校の敷地に入った住居侵入罪、生徒に暴行した暴行罪、その他にも脅迫罪等が値する。防衛省でゆっくり話を聞かせて貰おうか？」

いつの間にか茅野の元から離れていた烏間先生が冷たい顔で外国人の男の人にそう言った。流石に只者では無いと感じたのだろう。彼は両手を上げて首を左右に振り、ギブアップのジェスチャーをした。

「今日は失礼するよ、元々下見のつもりだったしね」

そう言って彼は、僕等の前にある窓から出て行った。殺せんせーが追い掛けようとするが無意味に終わってしまう。結局、彼は何をしに来たのだろうか。