【暗殺教室】ねじれの位置【磯貝悠馬】 (ページ1)

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プロローグもしくはねじれの位置は無し。ページ1

僕等は、殺し屋。

「ホームルームを始めます。
日直の人は号令を！」

「き、起立！！」

立ち上がると共に構えられたのは銃器。

「気をつけ！！」

立ち上がった生徒の瞳に付けられたのは保護眼鏡。

「れーーーーーい！！！！」

標的は、先生。

おはようございます。教壇に立った超生物の挨拶と礼という掛け声と共に始まった銃声はこの趣のある校舎に歪に響いた。

どんちゃん騒ぎと言えば聞こえは良いが、直接事を表せば担任の先生を撃っているのである。その異形を止める者は誰も居ない。

当たり前だ、此処は【暗殺教室】なのだから。

δ

どんなに羽を延ばしても、線を描いても交わらないそれはねじれの位置と名付けられた。

立方体、もしくは直方体を作るのには必ず直角を測り交わる線を引く。
もっと言えば平行な線を描かなければ綺麗な箱庭は出来ないのだ。そんな中、ねじれの位置の必要な理由はなんだろうか。

────その答えはきっと。

私達は殺し屋、標的は怪物。
今日も当たらなかった銃弾にニヤニヤと笑みを浮かべる先生と汗をかきながら呆れの声を上げるクラスメイト。

「もっと工夫しましょう。でないと…
最高時速マッハ20の先生は殺せませんよ」

なんて嘲笑の欠片も無く言い放った先生に前原陽斗だ。

「本当に全部よけてんのかよ先生！どう見てもこれただのBB弾だろ？」

当たってんのにガマンしてるだけじゃねーの、なんて大きな音を立てた抗議を左から右に流して椅子に腰掛ける。だがその言葉はクラスの皆には火を着けた様でこの偽物みたいなセンセイにブーイングを差し出した。

「では弾をこめて渡しなさい」

怪物の触手はヌルヌルと動いて岡野ひなたの前に置いた。彼女は言われるがまま銃を渡す。そして先生が次に取った行動は。

────パン

────ドブチュッ

「国が開発した対先生特殊弾です。先生の細胞を豆腐の様に破壊できる」

数秒の間に再生した腕を見せ付けて汚らしい笑みを漏らした。突然撃って切り捨てた古い腕は片岡メグの前に追いやって彼は更なる言葉を告げる。

「殺せるといいですねぇ…卒業までに」

椚ヶ丘中学校 3-Eは暗殺教室。
────始業のベルが今日も鳴る。