「愛してる」で塗り替えて【キヨ】 (ページ6)

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Fifth.誰よりもお前のことが... ページ6

Noside

キ「...おい、大丈夫か？」

『...あ、ごめんなさい。少し嫌なことを思い出してました』

青年は、すーっと少女の髪を撫でる。

綺麗な、日本人らしい黒い髪は、抵抗もなく青年の手を受け入れた。

キ「...あのさ」

『...？』

キ「...話せなかったらいいんだ。でもな、俺はお前がそんな顔してるのは見たくない」

"話してくんねぇか？"
青年は、いつになく真剣な目付きで彼女と目を合わせた。

『...話したら...離れていきませんか？』

キ「絶対引かねぇから。もし俺が引いたと思ったら殴れ」

『えっ、と。それはできませんけど...話します』

＊＊＊＊＊＊＊

キ「...そんな奴、忘れろよ。俺だったらお前を泣かせないし誰よりもお前のことを愛してる」

『...っ、ごめん、なさい...』

少女は、嗚咽を漏らしながら泣いた。

ここまで言ってくれる青年に何も出来ないこと。
1年以上前のことをまだ背負ってしまっていること。

青年に...キヨに申し訳なくて、涙を零す。

キ「...泣くな。俺に申し訳ないなんて思わなくていい。そいつのことを背負っていてもいい。__だから」

『...でも、私は...私が彼のことを背負っていて、貴方に、私の好きな人のことで悩んで欲しくはないんです』

キ「...ごめん、困らせたな」

お前の気持ちが落ち着いてからでいいから、と青年は言った。

『...っ、ごめんなさい...、私が...』

キ「んーん、お前は悪くねぇよ」

青年は、"ほら、ゲームしようぜ"と、彼女を撫でた。
青年は、これ以上彼女にそんな表情をさせたくなかったのだ。

『っ、はい！しましょうか、何します？』

そう言った彼女は、どこか悲しそうだけれど、何かを決意したような表情だった。

✄--------------- ｷﾘﾄﾘ ---------------✄
大分、タイトル(？)から逸れているかもしれませんが許してください(；´Д｀)