Eighth.似合ってるじゃない ページ17
Aside
天「今日、ツインテールね。どうしたの？あなた、いつもは下ろしてるのに」
『……！？』
キヨさんにはバレないように、キヨさんが寝ている隙をついて外へ出てきたっていうのに、やっぱりバレてしまったらしい。
すっかり焦った私は、
『べ、別にこれが似合ってるって言われたので調子に乗ってこの髪型で来たとかじゃないですから！』
と、いかにも答えだと言えるようなことを言ってしまった。
天「……へぇ？ そうなのねぇ。ちなみに誰がそんなことを？」
『だ、だから違いますって！ 口が滑ったんですよ、口が！』
……意外と、私の弱点はこのよく喋る口かもしれない。
＊＊＊＊＊＊＊
Noside
コツ、コツと彼女のヒールが音を立てる。
背が低い彼女は、普段から自分の背を誤魔化すようにヒールを履いていたので、彼は気づきもしなかった。
すると彼女は、家へと続く道を少し外れ、歩いていく。
彼は、少し不審に思いながらも彼女へついて行った。
コツコツとまた音を立てながら、彼女は路地裏に入った。
「……ねぇ、貴方」
彼は、突然彼女に声をかけられ、ビクッと体を震わせる。初めて聞いた彼女の凛とした声に、彼は緊張してしまった。
「は、はい……？」
「あのね……ずっと、貴方のこと、好きだったのよ」
「……！！」
「……ねぇ…」
彼女は、夜の闇の中、顔を赤らめながら彼に抱きつく。
「……っ、あ……う……」
彼はたじろぎ、彼女から目をそらした。
「……あのね……貴方。目を、瞑って下さらない？……そうじゃないと、私からキスをすることが出来ないわ」
彼は、言われたとおりに目を瞑った。
彼女が、彼の頬を愛おしそうに触り、彼女は彼の息遣いが聞こえる距離まで距離をつめた。
……その時。
彼は意識を失った。
＊＊＊＊＊＊＊
Aside
『……ふう、疲れる演技ですね』
私は"彼"が気を失ったのを確認し、天さんに彼を確保してもらった。
警察にも話しているとのことだったので、一件落着だ。
＊＊＊＊＊＊＊(回想)
天「私の仕事が、探偵だってことは知ってるわね？」
『はい。……また、私に変装をしろと？』
天「……ええ。頼めないかしら？」
『ええ、構いませんよ』
＊＊＊＊＊＊＊
『まーさか、また頼まれるとは』
天「変装の腕を買ってるのよ」
『それっていいことなんですか？』
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作者名：神風 | 作成日時：2018年2月3日 21時
