Fifth.妹 ページ14
キヨside
キ(……くっそ)
俺は、本を買いたいというAのことを、壁にもたれながら待っていた。
もちろん、参考書が入った袋片手にスマホを弄りながら、だけど。
そんな中、俺の少し歳上だろうか、女2人に話しかけられた。
香水の強い香りが鼻について、むせそうになったがとりあえず無視をした。
女2人は諦められないといった表情で、まだまだ俺に話しかけてきた。
……すると。
「ごめん！ お兄ちゃん、待たせたね！ 」
と、ツインテールのAがやってきた。
……かわい。
それにしても、いつもはクールを保っているのに、こんな幼い表情も出来たんだな。
演技が上手いやつだ。
俺はすぐにそれを理解して、妹に話しかけるようにニコニコしながら話した。
キ「ん？ 目当ての本買えたか？」
『うん！ ごめんね、付き合ってもらっちゃって！ ……その女の人達は？』
怪訝そうな顔をして、Aが俺と女の人を見比べる。
キ「ん？ あー……知らね、こんなやつ知り合いに居たっけな……？」
『……ふーん？』
すると、腑に落ちない、と言ったような表情で、Aは俺の腕に抱きついた。そして、
『お姉さんたち、お兄ちゃんは私だけのものなので。……手を出さないで頂けませんか？』
と、ドスをきかせた声で言った。
……でも、俺には可愛く見えるんだよなぁ。
「っ、お、覚えてなさいよ！」
声と表情(俺は見えないけど)でやられたのか、女2人はどこかへ行った。
『……ふう。大丈夫でしたか？』
キ「ん、だいじょーぶ。ありがとな」
＊＊＊＊＊＊＊
Aside
キ「ん、だいじょーぶ。ありがとな」
と、目を細めて笑うキヨさんに、少しだけドキッとした。
帰ってからもあの顔が忘れられなくて、1人テレビの前で自分の膝を抱えて座っていた。
『……なんなんでしょうか、これ』
キッチンにいるキヨさんに聞こえないように呟く。
実は今日買ったのは、少女漫画というやつだった。
別にそんな乙女的趣味じゃなくて、自分の気持ちをはっきりさせるためと、単純な興味で買った。
今はあまり読みたい気分でもないから、しまっているのだが。
キ「ココアでいいよな？」
『ぇあっ』
✄--------------- ｷ ﾘ ﾄ ﾘ ---------------✄
突然すみません。
妹なAちゃん可愛いと思うの私だけですか(*￣ii￣)
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作者名：神風 | 作成日時：2018年2月3日 21時
