らくだい魔女 短編集

恋煩い　 ページ2

ｰ ねぇ､フウカちゃん｡

ｰ なぁに？

ｰ 学校に行っても､いっぱいお話しようね!

ｰ もちろんっ！
たくさん友達ができても､ずぅっと一緒だよ‼︎

ｰ 約束だよ？

ｰ うん!ぜぇったい忘れないから‼︎


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､､､いつの会話だったか｡

5限の眠たい頭に､昔のアイツの姿が浮かんだ。

今じゃあ腐れ縁だけど｡

ぼーっとする頭起こして､うっすらと目を開けた｡

右斜めの前の席に､いつものアイツ｡

春の心地よい風に､ふわりふわりと金色の髪が揺れている｡

アイツは眠そうに､気怠そうに大きなあくびをしながら､

目の前にある教科書には、一切興味なしといったように
校庭を見た｡

椅子の前足を上げて､絶妙な体勢を保って遊んでいる阿呆は､どうやら体育がやりたいらしい｡

昼下りの校庭には、サッカーをする楽しそうな声がケラケラと響いている｡

勉強はさっぱりできないけれど､体育の授業の時は生き生きするのも､アイツの凄いところだ｡

校庭を向く､その横顔を見つめながら､

そういえば髪､長くなったなと思ったりする｡

小さい時は､もっと短くて､可愛げがあったのだが｡

どうしてあんな風になってしまったのだろう｡

俺が悪いのか？



ふと､彼女の体がグラリと揺れると､大きくガターンッと
音を立てながらひっくり返った｡




「フウカさんっっ⁉︎」




あーあー｡あんな座り方するから行けないんだろ｡

あれでも一応女子なんだから､もっとましな座り方
できねぇのかよ｡

つーか､銀の姫様がこんなんで大丈夫なのかよ｡






､､､姫様が変な男にいやらしい目で見られてたらどうすんだよ


眠い授業中突如起こったフウカの椅子ひっくり返り事件は、アイツ以外の全ての人の眠気を覚ましてくれた｡



「ちーくん、今日フウカばっかり観てたね♡」
「うるせぇ」

初恋薊　→←忍涙　

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