らくだい魔女 短編集

忍涙　 ページ1

ｰ私の大切なものについて発表します｡

私には､人生を変えてくれたといっても過言ではない､
大切な親友がいます｡

彼女は、引っ込み思案の私に､こんなにも素晴らしい外の世界を見せてくれました｡

こわいこと、嫌なことからはできるだけ避けて､心を閉ざしていた私に､挑戦という言葉を教えてくれました｡

彼女はいつも明るくて､優しくて､人一倍正義感が強いそんな人でした｡

初等部時代の私は､そんな彼女の背中を目の前で見ながら､
ずっと憧れを抱いてきました｡

ちょっと抜けているところがあって､よく先生やクラスメイトに迷惑をかけていたけれど､彼女を心から嫌いだって人はあまり見かけない｡

いや､見たことがない｡
それは､みんなわかっていたからだと思います｡

辛い時､苦しい時､
彼女はいつも自分も苦しそうに話を聞いて､
何かができないかと全力で取り掛かって、

必ず私たちを笑顔にしてくれる人だと言うことを｡

私は､植物の声を聞くことができます｡

昔､このことを誰に言っても信じてもらえませんでした｡

嘘つきと言われたこともありました｡

でも、彼女だけは｡

ステキじゃん！と笑ってくれました｡

嘘だと思わないの？と私が聞くと、

彼女は全く意味がわからないといった顔をしながら､

だって友達の言うことだもん‼︎

と､満開の笑顔で答えてくれました。



…金色の髪が驚くほど似合う子でした｡

彼女はいつも明るかった｡

だから、私たちに涙を見せることなんてなかったんです｡

私は心配だった｡でも､彼女はなんでもないっ！と笑いかけて､辛い顔を人に見せなかった｡

今思えば､もう少し私が気遣ってあげられていたら､､､と後悔するばかりです｡

親友なのに､､､っ‼︎




人知れず､誰にも見られないところで､静かに泣いていたのでしょうか｡

辛いことを1人だけで抱え込んで､たった1人で静かに泣いていたのでしょうか｡

もし私があなたのその心の内に気づいてあげられていたら

あなたはまだこの世界にいるのでしょうか｡



､､､フウカちゃん｡お願い､私に教えてよ｡

恋煩い　→

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