電話 ページ10
｢錦子、大丈夫か？｣
｢こっちは大丈夫やで、横子ちゃん。
…それより、村子ちゃんは…｣
｢大丈夫や、うちが引き取っとる。
ちゃんと隣におるで。｣
私は帰ってから
はいべえさんの恐怖を紛らわせようと
横子ちゃんと電話をした。
横子ちゃんは村子ちゃんを
ちゃんと引き取っていてくれてるため
２人は大丈夫だと思う…
私にもお兄ちゃんがいるため…大丈夫。
もう、夜だ。
今まで何時間電話したのだろう？
｢村子…寝ちゃったわ…｣
｢そうか…あんなにパニックになったら
当たり前やね…｣
｢村子…
家帰ってからも鍵閉めてチェーンまでして
窓もシャッター降ろして…
本当に怖いんよな…｣
『本当に怖い』
それは村子ちゃんの様子だが
横子ちゃんの言葉でもあるようで
私の言葉でもあるよう。
横子ちゃんは声が震えていた。
｢横子ちゃん、
強がらなくてもええよ…｣
｢…錦子……？｣
｢横子ちゃん、
みんなのお姉ちゃんみたいな存在やから
怖いのを我慢してたんやろ…？
ずっとわかってたで。
村子ちゃんを引き取る時も
本当は自分も歩くことさえ精一杯だったのに
村子ちゃんを放っておけなかったんよね。｣
｢錦子…｣
｢私は…
ずっと横子ちゃんを困らせてばっかやったけど…
楽しかったっ…。｣
私がいつ消えてもおかしくない状況で
普段言えない感謝を言うなら
この時だけだ。
そう思った私は横子ちゃんに
泣きながら、『楽しかった』を言った。
｢錦子…なんでそんな最後みたいに…｣
｢もう最後やからや。｣
｢あかんっ…!!
絶対に横子も錦子も消えちゃあかんっ…!!｣
横子ちゃんからの電話から
村子ちゃんの声が聞こえた。
｢村子ちゃん、起きたん？｣
｢あほ、前から起きとったわっ…。｣
｢…そっか、村子ちゃん……
村子ちゃんも、ありがとうな。｣
｢…錦子、なんでそんな事言うんや…｣
｢村子ちゃんも横子ちゃんも大好きやから。
私が消えようが消えまいが関係ない。
私が大好きな
村子ちゃんと横子ちゃんに感謝してる。｣
｢…そうか、
私も錦子と横子の事大好きやからな。｣
｢…私だって村子の事も錦子の事も大好きやで。｣
コンコンっ…
『横子ちゃん？
鍵忘れちゃったから…あけれへん…
あけて？』
｢あ、オカンや…｣
｢横子のオカン…!!…私が開けてくるわ…！｣
村子ちゃんが廊下を走る音が聞こえた。
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ハル(プロフ) - みつばさん» 最後まで読んでいただきありがとうございました！ お兄ちゃんたちが助け出すお話…できたら頑張ってみます！ 書けなかったらすいませんっ…^^; 面白いと言っていただけて嬉しい限りです！ありがとうございます！ (2017年12月28日 14時) (
レス) id: a1d9ec8253 (このIDを非表示/違反報告)
みつば(プロフ) - とても面白かったです！はいべえさん続き見てみたいなって思っちゃいました(´._.`)お兄さん方の妹さんを取り戻すようなお話しが見てみたいなぁなんて汗とにかくとても面白かったです！！ (2017年12月26日 0時) (レス) id: 61c4e22e0d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハル | 作成日時：2017年12月8日 17時
