僕の大切な… ページ15
午前６時
俺は６時になった途端
急いで妹がいる押し入れがある部屋に行った。
｢錦子！
もう出てきてええよ！｣
声をかけたが静まり返っていた。
まさか…とは思ったが
錦子には自分から開けてはいけないと言ったし
寝ているだけかもしれない…
そう思い
俺は押し入れを勢いよく開けた
｢…嘘やろ？……錦子……？｣
錦子がいない………
｢嘘や…錦子っ…？
からかってるだけなら出てこいよ？
今なら許したるわ…｣
自分でも声が震えてるのがわかった。
〜♪
誰かから電話が来た。
｢もしもし…｣
｢もしもし、俺やけど…｣
｢…横山くん？｣
相手は横山くんだった。
｢横子と村子ちゃんがおらんくなって…
あと残ってんの錦子ちゃんだけやろ？｣
｢横山くん……｣
｢…？
どうした、どっくん…？｣
｢錦子がおらへんねん…｣
｢…っ……
そうか、錦子ちゃんもか………｣
｢やっぱ、はいべえさんっておるんや…。｣
｢…ヒナとも話してたけど……
自分の妹や仲間の妹が消えただけで
周りってこんなに変わるんやな…｣
横山くんの寂しそうな声。
自分の周りから一人ずつ減っただけで
俺達の日常は失われた。
｢横山くん…
村上くんと、すばるくんは大丈夫でした？｣
｢あほか、大丈夫なわけないやろ。｣
｢そうですよね。｣
｢丸と安と大倉は？｣
｢大丈夫だと思いますか…？｣
｢全く。｣
｢…大丈夫じゃないですよ。
これからどうやって生きてくんでしょうね。｣
｢助け合うしかないやろ…？
お互いの妹の溝は埋めれんけど…
せめて、助け合っていこう。
すばるなんか…家族全員攫われたんやから…｣
｢そうですね…｣
それから、数時間後
俺の家の前には数台のパトカー。
『はいべえさん』をやったことは話したが
あまり信用されなかった。
しかし、数日後、数ヶ月後、数年後になると
『少女７人連れ去り事件』
の犯人は やはり、『はいべえさん』ではないかと
噂されるようになった。
親族の証言、同級生の証言と
犯人の目星どころか
７人のうちの1人の消息さえわからないままという状況から
『はいべえさん』が連れ去ったとされた。
｢…合ってるけど……｣
｢間違っていてほしいとも思うけどなぁ｣
今日は７人で食事の日。
…昔の元気は取り戻せない。
だけど、
俺達は今を助け合って生きている。
全員が妹失踪という過去を持ちながら。
終わり
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ハル(プロフ) - みつばさん» 最後まで読んでいただきありがとうございました！ お兄ちゃんたちが助け出すお話…できたら頑張ってみます！ 書けなかったらすいませんっ…^^; 面白いと言っていただけて嬉しい限りです！ありがとうございます！ (2017年12月28日 14時) (
レス) id: a1d9ec8253 (このIDを非表示/違反報告)
みつば(プロフ) - とても面白かったです！はいべえさん続き見てみたいなって思っちゃいました(´._.`)お兄さん方の妹さんを取り戻すようなお話しが見てみたいなぁなんて汗とにかくとても面白かったです！！ (2017年12月26日 0時) (レス) id: 61c4e22e0d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハル | 作成日時：2017年12月8日 17時
