番外編IF ページ3
月島Side
部活終わり。凍えるような寒空、そして満天の星空の下。
校門に寄りかかる先に着替え終わったのであろう部活の先輩マネージャー兼僕の彼女。
『、ん』
こちらに気付き、はにかむ
「鼻も手も赤いですよ」
『んふ、手袋、忘れちゃった』
「んふじゃないですよ」
『蛍くんのちょーだい』
「嫌ですよ。僕寒いの嫌いなので」
『暑いのも嫌いなくせに』
くふふ、と楽しそうに笑うAさんは下の名前で呼ばせるようにしてもやはり気恥ずかしいのか蛍くんと呼ぶ
名字の時は月島って呼び捨てだったのに
でもそれはそれで良いし可愛いしなかなかにクるものがある
『今………不穏なこと考えなかった…?』
「いいえ」
嘘だけど
「先輩」
『ん?』
「寒いんでしょ。左手にこれして良いですよ」
『ほんと?でも蛍くん左手寒くない?』
「こうすればいいでしょ」
『お、おぉっ……………!?』
我ながらベタだな、と思う
片手づつ手袋をはめてもう片方は恋人繋ぎで僕のコートへ
『えっあの、えと、けっ、蛍サン…その、えっとこれは…』
どうしてこういつもは余裕綽々なAさんが僕の言動で乱れるとここまで興奮するのか
「……………Aさん、1人で帰ってるときとかに襲われないでくださいよ」
『えっ…?急に…?お、襲われないよ……』
「ちょろいし、無防備だし、絶妙に男心をくすぐるので心配です。流されそうだし」
失礼ですよ君、とAさんが睨んできたあと気まずげにもごもごと口ごもった。それを不思議に思って覗き込むと
『……えと…その』
「?はい?」
『…その、男心をくすぐる、っていうのとか、襲いたいとか…それは………蛍くんも…含まれてたり、…するん…デスカ…』
そういう所ですよ
他の男が襲いたいときっと思うであろう女子の、その彼氏が平然を保っていられるとでも?
頬をこれでもかと紅く染めてうつむき控えめに言うその姿のどこが可愛くないのか
「……………明日の予定は?」
『えっ…?あ、明日?土曜日だし…特には』
「僕の家来ませんか」
『…えっ』
「………僕だって普通の男子高校生ですからね」
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