Sugar ( おれんじ ) (ページ9)

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『お兄さん誰？？』

『いい奴ぶってんじゃねえよ(笑)』

男がコップを持ち男性にお水をかけた。

「…」

『へっ、なんも言えねえんだろ』

男性は一瞬動きを止めたけど、私の方を向いて

「すいません、床、汚してしまいましたね…」

なんて眉を下げ気味で呟いた。

「タオルかなんかあります？僕拭くんで」

「あ、いやあのっ」

『なんだよてめっ…』

男が男性の肩をガッと掴んだ。

けど、彼はその腕を掴んで相手を睨みつける。

「…まずは彼女に謝れや」

そんな彼の目に怯え、男たちはコーヒー代を置いてそそくさと出ていった。

「…っ風邪ひいてしまいます！！」

裏からタオルを何枚か持ってきて男性に渡す。

「ありがとうございます！」

さっきとは打って変わってニコッと笑いかける。

「あ、お姉さんアメリカン1つ頂けます？」

「かしこまりましたっ」

キッチンに戻ってコーヒーをいれる。

ちらっと彼を見るとクシャミをしていた。

やばい、本当に風邪ひいちゃう！！

「お待たせしました！」

「ありがとうございます～」

「あの、」

「ん？どうしました？」

「さっきは、ありがとうございました！」

「いえいえ当然のことをしたまでですよ？」

コーヒーを1口飲んであちっという彼にふっと笑ってしまった。