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いなくなった ページ21

your side

ス「ゆきちゃんがいなくなった!」


収録を終えて楽屋に戻ると、スタッフさんにそう言われる。

『……え?』

一瞬で頭が真っ白になっていく。


ス「ごめん、私がトイレ行ってる間にどこか行ってて、本当、私のせい、ごめん」

スタッフさんがなにか言っているけれど、それすらも耳に入らない。

いなく、なった……?

誰が……?

ゆき、が。

全部理解した瞬間、一気に血の気が引いていく。


『ゆ、き……ゆきっ!』


急いで楽屋を飛び出す。

でも……

『これっ、どこに行けば……っ!』

道や扉が多すぎてどこから行けばいいのかわからなくなる。

どうしよう。

早く、早く探さないと……。


菜「A!」

急に誰かに名前を呼ばれる。


『……なんですかっ、今忙しいんですっ……!』

早くゆきを見つけないといけないんだ。小坂さんと話している時間なんてない。


愛「私たちもゆきちゃん探すの手伝うよ」

『……必要ありません。わたし一人で十分です」

菜「なに言って……今やってどこ行くか悩んでたやろ?手分けして探した方が早いって」

それじゃダメなんだよ。

ゆきは、わたし一人で守らないとダメなんだ。

……『助ける』なんて言って、手を差し伸べて来る人を、信用しちゃいけないんだ。


『だから!ゆきはわたし一人で守るんです。だから必要ありません。わたしが、一人で……っ』


菜「ええ加減にしい!」

『っ!』


菜「さっきからうだうだと、一人で守る!?人は一人じゃ生きていけんやろ!Aは、なんでも一人でやろうとしすぎや!」

一人でやろうとしすぎ。

だって、そんなの、しょうがないじゃないか。

一人でやるしか、なかったんだから。


『……約束、したので。大丈夫です』

菜「大丈夫なわけないやろ!この前だってそうやって倒れてたやんか!
Aが一人で探してるうちに、ゆきちゃんが真反対の方向で苦しんでたらどうするんよ!」

『っ……』


すると、小坂さんがわたしに向かってぱっと右手を上げる。

それにやっぱり父さんが重なって、反射的に目をつむって手で衝撃に構えてしまう。

でも……。

——ぽん、ぽん。

次の瞬間、わたしが待ち構えていた衝撃なんて来なくて、かわりに頭の上に優しくて暖かい手があった。


『……え?』

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123 - テスト (2021年12月1日 22時) (レス) id: 3aa6a8a473 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2020年11月6日 18時

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