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「おはよーございます!」
『……おはようございます』
ゆきは楽屋に入るなり他のメンバーのところに走っていく。すっかり懐いたな。
愛「おはよう。A、もう大丈夫——ん?なんか、顔赤いよ?熱あるんじゃない?」
『……大丈夫ですから。ほっといてください』
愛「いや、でも……おでこ触らせて?」
また伸びてくる手に、体が固まる。
『……大丈夫だって言ってるだろ!』
愛「わっ!……っ」
『あっ……』
つい手を振り払うと、バランスを崩したまなもさんが転ぶ。
菜「まな!?
A、まなは心配しただけやろ?」
『……頼んでないです』
菜「そんな言い方……ってまな、血……」
まなもさんが転んだ時に膝をすってしまったらしく、少しだけ血が出ていた。
血。
赤い。
血——
——『……お母、さん……?』
『っ!』
愛「Aっ!?」
そのままわたしは、楽屋を出て走った。
nao side
Aが出て行ってすぐスタッフさんが呼びに来たので、仕方なくそのまま仕事に行く。
そして収録を終えて、楽屋に向かう。
菜「A……どうしたんやろ」
愛「ううん、あれは私が悪いよ。また不用意に手を伸ばしちゃったから。
それに……多分すごく反省してる。私の手を振り払った時のA、すごく悲しそうな、後悔したような、『やってしまった』っていう顔してたもん」
菜「そうなんか……って、まな、まなの席になんか置いてあるで」
愛「本当だ。これ……絆創膏……?」
菜「え?」
まなの机の上を見ると、絆創膏が一枚と、すぐそばに付箋。
そこには……
愛「『ごめんなさい』って、書いてある……これ、絶対Aだよ!収録中に戻ってきたんだ。早く、探さないと……!」
菜「うん!」
そうしてまなとなおは楽屋を飛び出した。
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123 - テスト (2021年12月1日 22時) (レス) id: 3aa6a8a473 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:零 | 作成日時:2020年11月6日 18時