【HQ】山口くん。弱虫くん。Ⅱ (ページ3)

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＊弱い虫 023 ページ3

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貴方side

一斉にこっちを向く視線。

耐えられない。

逃げ出したい。

ただ溢れる得体の知れない恐怖に足を動かせた

「私、ちょっと日向くん達迎えに行ってきます」

嫌な汗が背を伝って寒気がする

体育館から飛び出して、キツイ日差しに目眩がしそう

グラリと揺れた視界に、必死に足を進めた

あそこに、木兎さんがいた。

イコール、梟谷のみんながいる。

_______【赤葦京治】、がいる。

赤「A！！」

「・・・ｯ、！？」

だから、来たくなかったんだ。

あの時、なんで無理矢理にでも断らなかったんだろ

あの眼鏡の口車に乗せられて、馬鹿みたいにここに来て、

結局このザマ。

足を止めると、彼奴もまた足を止めた

赤「もう、会えないと思ってた」

「私もですよ。本当は会いたくもなかったんですけどね」

赤「それは本当に、ごめ____」

「謝らないでください」

被せるように言葉を遮った

正直、謝罪なんて望んでいない

そう伝えたら、彼はもっと困るだろうか、今以上に。

赤「戻っておいでよ」

「なんで、あなたが悲しそうな顔をするんですか？」

どいつもこいつも、私を縛って嘲笑ってるんでしょ？

「もう私は、あの頃みたいには戻れないんです」

俯きがちな顔を、出来る限り上へ向けた

「それに、あれは、貴方のせいじゃないですから。謝らないでください」

私が弱かったんです。

だから、

ここにも、戻りません。

そう最後に告げると、彼はさっき以上に顔を歪めた

前よりも少し低くなった声

伸びた身長

指先のタコ

大人びた雰囲気

「人はさ、変わるもんなんだよ。」

私みたいに。

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