7話 無言の圧力 ページ9
本部より司令!本部より司令!
花薄荷はそう鳴いた。
一瞬身構えた炭治郎だったが、安心しろとAは言った。
『本部に報告するなんてそんな野暮なことはしない。バレたらまあ、そのとき考えればいいさ。』
バレたらとてつもなく面倒なことになる。最悪柱会議になりかねん。その事を知って、なおかつ面倒くさがりなAはあえて言わない。
………あの冨岡義勇も鱗滝左近次も、何も言わないのだ。これにはなにかあるに違いない。そう踏んだのだ。
とまあ、呑気にカステラを頬張る。
『んで、花ちゃん。司令を。』
「最近!南東ノ方角二テ、行方不明者続出!三日後、南東ノ方角二向カウベシ!!向カウベシ!!」
『えっ三日後でいいの?』
「近イカラナ。ソレニ今ベツノ隊員モ向カッテル!三日後合流!」
つんつん。さりげなく、カステラをつつくき食べた花薄荷。
Aは別に気にしてもいないように、湯のみをあおる。
『フーン誰だろ。』
「冨岡義勇ゥ!!」
『ブフッッ!??、??!!』
花薄荷がそう言い切るか、Aがお茶を吹き出すかほぼ同じタイミングだった。
「Aさん!???!?ほんと義勇さんと何かあったんですか!!!」
咄嗟に炭治郎は背中をさすり、落ち着いた頃、もう一度ゆっくりお茶を飲ませた。
『ケホッ……はぁ、ありがとう。いや、そのだな…昔』
「昔。」
『追いかけられたことがあって、無言で……。』
「無言で。」
『小一時間。』
「小一時間!?」
無言の圧力。それがとても怖かったとAは言う。今となっては何がしたかったのかよく分からない。真相は彼のみぞ知る………
『というか、柱が向かうぐらいの任務なのに何故、甲の私が……。』
Aの口からそれはそれは、大きなため息が出たのだった。
■
あたりはすっかり明るくなり、鳥のさえずりさえ聞こえ始め、禰豆子もウトウトと箱に入る。
けが人を夜更かしさせてしまったのは申し訳ないが、久しぶりに楽しい話が聞けてAは楽しかった。二人とも大きな欠伸をしたので、昼まで睡眠を撮ることにした。
布団に潜り朝日を遮断すれば。すぐに眠れた。
お休みなさい。
大正コソコソ噂話
Aは、冨岡に無言で追いかけられたことがあり、それが少々トラウマなのだ!あのとき追いかけられた理由はもはや冨岡しか分からないだろう。
そのとき甘露寺はAにも春が来た!と喜んだそうな。Aは全否定した。冨岡は少しへこんだ。
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作者名:八咫烏@地獄鴉 | 作成日時:2019年9月15日 12時