6話 かすていら ページ8
「このヒョロっちぃ女がか???」
「「え???!??」」
Aは思った。そこまで驚く?と
確かに男装はしている。だか女だということを隠してるわけでもない、何故か複雑な気持ちになった。
鬼殺隊なんてほぼ男しかいないようなもの。周りに馴染むならこれしかない。
「結婚してください!!!!」
さらに突然顔を赤らめさり気なく手を握ってきた善逸の言葉により、より複雑な気持ちなった。
その間わずか0コンマ1秒間……その気持ちの切り替えの早さたるや、柱最速の技を放つ甘露寺もびっくりである。
もはや頬を染めるなどという動作を忘れ驚きしかない。
『え、ごめんなさい。』
「うん、うんうん!!これは女の子の手だね……!すべすべして白くて、桜色の爪で………」
『おい、おいコラ聞け。』
「ちょっと傷があったって気にしないよ!!働く女の子の手、素敵だなあ゛ァあ!??!」
いよいよしびれを切らした炭治郎により善逸、撃沈。
モンスター退場!!!
現在部屋には撃沈した善逸といつの間にか寝ていた伊之助、申し訳なさげな炭治郎、隅っこで遊ぶ禰豆子……なんというか、まあ自由な奴らである。
「すみません………その。ほんとは良い奴なんですけど…」
『あっ、うん。大丈夫です。』
なんなんだこいつら。帰りたい。
■
『ほー!君、あの冨岡さんの兄弟弟子と………………。』
「義勇さんを知ってるんですか!!(んでもってなんかあったんですか?!)」
あの後色々と話に花を咲かせ、いつの間にか朝近くになっていた。炭治郎はとにかく優しい。優しすぎる。
『それは……大変だったな。』
妹がなぜ、鬼なのかも知った。正直聞いてもいい話なのかは分からなかったが、炭治郎が真剣に話してくれたのだ。Aも、真剣に聞いた。
こちらも家族を鬼に食われた性分……、どうにも他人事には思えない。
考えるよりも先に手が出た。炭治郎の頭を撫でていた。
『偉い。よく頑張ったな。』
「Aさん、」
火灼の瞳から雫が落ちた。
『わ、わ、わわ!!な、泣くな!!アッそうだお菓子があるんだ!!西洋の……なんだっけな、そう!かすていら!!甘くて美味しいやつ!!』
柄にもなくとても焦った。
「……あ、ありがとうございます!かすていら、いただきます!お茶にしましょう!!」
そう言って目元を擦った炭治郎の鼻は、少し赤かった。
「話ハスンダカ?」
『花ちゃん、来るタイミングは考えような……???』
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作者名:八咫烏@地獄鴉 | 作成日時:2019年9月15日 12時