11話 鬼の所業 ページ13
空に茜がさす頃、煉獄とAは冨岡と合流するために町を出た。
『いや、ほんと…。すみません煉獄さん。』
「何がだ?」
『その、宿、二人分取らせてしまったのでしょう?』
Aが寝ていたのは、煉獄が任務のために寝泊まりしていた近場の宿。そこにAは連れてこられたので、当然二人分の額が発生する。
いくら話せる仲とはいえ、柱なのだ。上司にお金を出させるのは非常に申し訳ない。
「なんだ、そんな事か!」
パァ、と煉獄は顔を明るくした。
「ならばこれから迎える鬼を切ればいい!」
「うわあ、それはしんどいです。後で払いますね。」
だって上弦がいるかもしれないのだもの。Aはため息をついた。
煉獄にこんな悪態がつけるのも長年の付き合いのおかげ、他の隊士ならばげんこつが飛ぶであろう行為だ。煉獄は何一つ気にもせずに歩く。
「君はそうやっていつも………もう甲になったんだ、もっと自信を持ったらどうだ?」
「まぐれですよ…、それに今どき暗器使いなんて古いですしね。」
Aの羽織の中のに仕込まれた暗器はおおよそ100以上。その一つ一つの重さは然る事乍ら、日輪刀のような役目を果たす優れもの。故にAの羽織の重さは赤子を何人も抱いているかのような重さなのだ。
「……よもや、その重さで激しい動きができると言うのに。」
そう、甘露寺の従姉妹もまた特異体質であった。
■
冨岡義勇との待ち合わせの場所、待ち合わせ場所にするには一風変わった場所。お地蔵様が道の両脇に並び、それが山の奥まで続く。
そして、地蔵道の奥には寂れたお寺があり、おおよそ、そこが奴らの根城。
しばらく歩くと、地蔵の中に奇抜な半羽織が見えた。
「待たせたな!」
『ッス。』
「待ってはいない。」
たった一言呟いた。自分の感情を伝えるのが下手くそなのは相変わらずのよう……。
「では、今回の作戦だが……。」
ようやく合流したと、煉獄は今回の任務の作戦をひとしきり話した。
作戦やはこうだ、まず煉獄が地蔵道を行き鬼をおびき出す、Aと冨岡は山から逃さないように各方角に待機し鬼を斬る。と言ったところだ。
「A。」
『なんですか、冨岡さん。』
「18の娘ばかり狙われると聞いた。お前歳は―――。」
『…………エッ今年で18です。』
「そうか、気をつけろよ。」
そう、女性がよく行方不明になるそうだ。それも、18の娘ばかり。極めて異質。まさにに鬼の所業。
『帰りたい……。』
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作者名:八咫烏@地獄鴉 | 作成日時:2019年9月15日 12時