迎えと狙いに来られて、 ページ7
｢これでおしまいっと……｣
深夜12時。
日付けの変更を告げる鐘を響かせ、私は大きく伸びをした。
あの手紙が届いて今日でちょうど一週間だ。
(まあ、来ませんよねー……)
当たり前だけど、人の気配はさっぱり無い。
やっぱりイタズラか何かだったのか。
優しくもどこか冷たい、そんな光を放つ満月を見上げてため息をつく。
早く寝よう。明日も早いわけだし。
そう思って身を翻した瞬間だった。
────シャン…………
｢お待たせしました、Aさん｣
｢えっ……｣
バサリ
マントが風で膨らんだ影が視界に映る。
確かにここには、私しか居ないはずなのに。
振り返れば、左右で白黒に別れたモノクロの笑っている仮面をつけたシルクハットの人が居た。
｢ど……どちら様……？｣
｢さて、誰でしょう？｣
独独の訛りと鼻声でその人は話す。
｢レトルト……さん……？｣
｢はい｣
｢あ、あの……｣
七年前の約束って……。
そう告げようとした瞬間、バッとレトルトさんに腕を引かれる。
私の体はいとも簡単に彼の腕の中に収まった。
｢へっ！？｣
｢……あーあー……。おっかしいなぁ……｣
レトルトさんとは違う人の声がする。
慌てて彼の腕の中から顔を上げると背後に庇われる。そこには黒いローブを纏った人が居て、フードから除く口元はニヤリと釣り上がっていた。
｢ほーんと、勘は鋭いねー。手強いなぁ｣
｢勘はって……そこ別に強調せんでもええやろ。何か用か？」
先程とは一転、砕けた口調とピリピリした雰囲気でレトルトさんはローブの人に言葉を投げかける。
｢うん！その子を連れていかないとならないんだよね〜。とゆー訳で、怪盗さん！その子、ちょーだい？｣
｢ふざけんな、渡す訳無いやろ｣
｢えっー。しょーがないなぁ……なら、力づくでっ……！｣
その時、ローブの人の背後がユラユラと揺らめく。まるで、陽炎のように……。
｢やめてっ！！｣
反射的に叫ぶと、レトルトさんもローブの人も驚いた様に私を見た。
｢貴方、ここを燃やすつもりですかっ！？やめてください、火なんかつけたらっ……！！｣
この時計塔自体は金属製でも、私の部屋や時計盤に繋がる部屋とかは木製だ、たちまち火が広がってしまう。
そんな事になったらっ……！！
｢……んー……｣
ローブの人が考える素振りを見せ、｢うん！｣と頷いた。
｢まっ、いっか！いーよ、今日は引いてあげる。でも、二度目は無いよ。じゃ、またねっ！！｣
そう手を振り、ローブの人は消え去った。
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猫神 くろあ(プロフ) - 初めまして、くろあと申します。とても謎が多いですね！伏線がたくさんあってとても気になります。私生活で支障が出ないぐらいに更新頑張ってください！！応援してます！ (2015年11月23日 18時) (
レス) id: da792a5af3 (このIDを非表示/違反報告)
抑圧死亡者S(プロフ) - 俺は、続けた方がいいと思います。 それこそ、この騒動から目を背けて、強運の彼の事を忘れてしまうような、そんな感じがして俺は嫌です。例え誰が悪くても、その人が好きなら好きでいいと思う。俺も自分勝手ながらこれからも続けるつもりですしおすし。 (2015年7月15日 14時) (レス) id: 61a01a7001 (このIDを非表示/違反報告)
青月要(プロフ) - はじめまして。単刀直入にいうと、自分のやりたいことを尊重すべきです。一連の騒動や引退などがありましたが、それはそれ。これはこれです。応援しています、頑張ってください！ (2015年7月15日 0時) (レス) id: 6a04d14fc1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：和叶菜 | 作者ホームページ：http://uranai
作成日時：2015年4月29日 17時
