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プロローグ ページ2

ゴーン……ゴーン……ゴーン……

重々しく、そしてどこか切ない鐘の音が水の波紋の様に街へと流れて溶けてゆく。
……もちろん、音に形は無いので私の想像だけどね。

私は先ほど鳴らした鐘から離れて、柵に近づいた。
眼下に広がる街が地平線に沈む夕日に照らされて眩しい。思わず目を細める。

その時、一陣の風が吹き抜ける。
私が居るのは、街を一望できる高い時計塔。下に居る時よりも、ここで浴びる風は強くて冷たい。
風になびく紫の髪を抑える。

「────誰か、来ないかな……」

勿論そんな事ありえない。
時計塔は立ち入り禁止で、私がそこに住んでいる事をみんな知らないのだから。

決まった時間に鐘を鳴らす。
私は七年間、ずっと独りでそれだけを繰り返してきた。

ふと胸元のペンダントを握り締めてみる。
七年前、この時計塔の一室で目を覚ました時から前の事を、何も覚えていない私が何故か身につけていたこの「☮」の形をしたペンダント。
元々持っていたものなのか、誰かに貰ったものなのか、私に知る術は無い。

もう一度風が吹く。
このままだと、風邪をひいてしまいそうだ。
今度は髪を抑えず、階段を降りていった。

藍色に染まっていく空には一番星がキラリと光った。









.






.








「やっと、帰ってこれたね」
「アイツ……元気にしてるかな」
「早く見つけて、約束果たさなあかん」
「ああ。そのために戻ってきたんだし」



『約束』を守りに帰ってきた四人。





.








.








「戻ってきたね、あの四人」
「七年かぁ……。長かった長かった」
「さーて……復讐の始まりだ」
「……今度は見逃したりなんかしない」



『復讐』を果たそうと動き出す四人。









.








.








記憶を握る、八つのピースは集まった。
その先にあるのは一つの戦いにまだ、誰も気づかない。

小さな世界に亀裂が走り、→←人物紹介



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猫神 くろあ(プロフ) - 初めまして、くろあと申します。とても謎が多いですね!伏線がたくさんあってとても気になります。私生活で支障が出ないぐらいに更新頑張ってください!!応援してます! (2015年11月23日 18時) (レス) id: da792a5af3 (このIDを非表示/違反報告)
抑圧死亡者S(プロフ) - 俺は、続けた方がいいと思います。 それこそ、この騒動から目を背けて、強運の彼の事を忘れてしまうような、そんな感じがして俺は嫌です。例え誰が悪くても、その人が好きなら好きでいいと思う。俺も自分勝手ながらこれからも続けるつもりですしおすし。 (2015年7月15日 14時) (レス) id: 61a01a7001 (このIDを非表示/違反報告)
青月要(プロフ) - はじめまして。単刀直入にいうと、自分のやりたいことを尊重すべきです。一連の騒動や引退などがありましたが、それはそれ。これはこれです。応援しています、頑張ってください! (2015年7月15日 0時) (レス) id: 6a04d14fc1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:和叶菜 | 作者ホームページ:http://uranai  
作成日時:2015年4月29日 17時

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