人間は侵略を夢見ない (ページ1)

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＿＿街が燃えている。
ビルが倒れ、大きな何かに怯えながら人々は逃げ惑う。

「お姉ちゃん、冬樹、お母さん…！どこ！？」

俺は人の流れに逆らい、家族の名前を呼ぶ。
が返事は無い。
ここにはいないことを確かめて歯をギリッと食いしばり、更に奥へと走る。

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

「うー………みんな…死んじゃった…」

ジリリリリリ！
目覚まし時計が鳴る中、寝言を呟く少年。
この少年の名前は日向Aと言い、この日向家の長男である。
上には日向夏美という姉と、下には日向冬樹という弟がおり、母親の名前は日向秋と言う。

そんなAは今、絶賛寝坊中である。
Aは普段そこまで寝坊することは無く、夏美も信頼しているのか起こしに来ない。
そのため、珍しく寝坊すると今のようにとんでもないことになる。

時計が示している時間を見てみよう。
………8時30分。
Aが通っている学校のホームルームは8時30分に行われるため、もう確定で遅刻である。
さて、まだAは起きそうにない。
どうなる、A！？

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

「あーーーーーっ！？！？！？え、もう10時！？！」

目覚まし時計を掴み、今にも死にそうな表情で絶叫する。
外ではカラスが「アホー」と鳴いており、Aを馬鹿にしているようだ。
ベッドから転がり落ち、ドスンと下にも響きそうな音が鳴る。

「もう諦めて今日は家にいようかな…」

もう登校しても遅刻は確定だ。どうせ先生に怒られるくらいなら家にいた方がいいかな…

そうと決まれば早速下に降りよう。
部屋にいても退屈だし、まだ歯も磨いていない。
ふんす、と立ち上がるA。
ドアを開くと、そこには＿＿＿＿＿

「………え、カエル？」
「ゲロ？」

緑色の謎の生命体がいた。